「ハードディスクドライブ(HDD)のグローバル市場(2024-2033):製品種類別、エンドユーザー別、地域別」調査資料を販売開始
株式会社マーケットリサーチセンター
更新日:2025/9/9
(株)マーケットリサーチセンタ-(本社:東京都港区、グローバル調査資料販売)では、「ハードディスクドライブ(HDD)のグローバル市場(2024-2033):製品種類別、エンドユーザー別、地域別」調査資料の販売を2025年6月18日に開始いたしました。世界のハードディスクドライブ(HDD)市場規模(国内市場規模を含む)、動向、予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■レポート概要
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1. レポート概要
2025年の市場規模は約417億米ドルと推計され、2032年には約637億米ドルに達すると予測されています。期間中の年平均成長率(CAGR)は6.3%であり、SSD(ソリッドステートドライブ)の台頭が続く一方で、HDDが依然として大容量・低コストのストレージ需要を支える重要な役割を果たす点を踏まえ、データセンターやエンタープライズ、コールドストレージ向け用途を中心に堅調な成長が見込まれます。本レポートでは、製品定義、市場規模推移、主要ドライバーと抑制要因、セグメンテーション別動向、地域別動向、競争環境、技術トレンドなどを包括的に取りまとめています。
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2. 市場動向と成長要因
HDD市場の成長を牽引する主な要因は、大容量データ生成量の爆発的増加と、それに伴うコスト最適化ニーズの高まりです。クラウドサービスプロバイダーやハイパースケール・データセンター事業者は、ホットデータとコールドデータを階層化し、アクセス頻度の低いデータをニアラインHDDに移行することで、総所有コストを抑制しつつペタバイト級のストレージを構築しています。また、ビデオ監視、ソーシャルメディア、IoTセンサー、ゲノム解析など非構造化データの生成が続き、ペタバイト~エクサバイト規模のバックエンドストレージ需要が旺盛です。さらに、5Gネットワークやエッジコンピューティングプラットフォームの展開により、エッジデータセンターでも高密度HDDへの投資が増加しています。一方で、SSDの価格低下と性能向上、HDDの機械的構造に伴う振動感受性や面密度拡大の技術的限界、原材料コストとサプライチェーン混乱などが市場成長の抑制要因として挙げられます。
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3. セグメンテーション分析
本市場は以下の軸で細分化されています。
• フォームファクター別
2.5インチ、3.5インチ、その他の各カテゴリでは、3.5インチが高容量モデルで市場シェアの半数以上を占め、2.5インチはノートPCや外付けストレージで根強い需要を維持しています。
• 容量別
250GB未満、250GB以上1TB未満、1TB以上という区分では、特に1TB以上領域が高い成長率を示し、ペタバイト級システム構築への布石となっています。
• インターフェース別
SATA、SAS、ファイバーチャネルなどのうち、SATAは低コスト汎用用途で圧倒的なシェアを誇り、SASやFCはエンタープライズ向けで高い信頼性を求めるセグメントに対応しています。
• アプリケーション別
モバイル、コンシューマー(外付け・ゲーム機等)、デスクトップ、ニアライン(コールド/アーカイブ)、エンタープライズ(オンライントランザクション処理)、その他(監視、科学研究など)に分類され、ニアラインとエンタープライズ領域が市場全体の約七割を占めています。
• 地域別
北米、欧州、東アジア、南アジア・オセアニア、中南米、中東・アフリカの6地域で分析し、北米・東アジアを中心に高い需要を維持しています。
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4. 地域別市場動向
• 北米
テック大手企業のハイパースケール・データセンター投資が集中し、2025年には世界市場の約33%を占める見込みです。米国は特に大容量ストレージの需要が高く、サービス・プロバイダー向けに高面密度ドライブが多く採用されています。
• 欧州
ドイツ、英国、フランスなどで成熟したデータセンターインフラを背景に安定成長を遂げています。環境規制やエネルギー消費抑制要件を満たす低消費電力ドライブへの移行が進行中です。
• 東アジア
中国、日本、韓国を中心に、クラウドとエンタープライズ需要が急速に拡大しています。特に中国では独自データセンターの急増がHDD導入を下支えしています。
• 南アジア・オセアニア
インドや東南アジア新興国でのデジタル化が進みつつあり、価格敏感層向け低コストモデルの需要とともに、都市部の大規模事業者による高性能ドライブ採用が二極化を生んでいます。
• 中南米
ブラジル、メキシコでオンラインサービスと地方自治体向けストレージ投資が拡大しており、コスト最適化戦略が鍵となっています。
• 中東・アフリカ
湾岸諸国の富裕層向けIT投資と医療・政府データセンター整備が進む一方、サブサハラ地域ではまだ基礎的インフラ整備段階にあり、今後の成長余地が大きい地域です。
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5. 競争環境と主要企業戦略
HDD市場にはシーゲイト・テクノロジー、ウェスタン・デジタル、東芝、サムスン電子などの大手メーカーが存在します。各社とも以下の戦略で競争力を高めています。
• 次世代記録技術の開発
HAMR(熱アシスト磁気記録)やMAMR(マイクロ波アシスト磁気記録)、SMR(シングルドメイン磁気記録)といった高面密度技術の投入で、従来の磁気プラッタ容量の上限を突破し、大容量ドライブを実現しています。
• ヘリウム封入ドライブの普及
ヘリウム封入により内部抵抗と消費電力を低減し、ラックあたりペタバイト級ストレージを可能にするソリューションを展開しています。
• ハイパースケール事業者との協業
クラウド大手や通信事業者と共同で最適化ドライブを共同開発し、高スループット・低レイテンシを両立するプラットフォームを提供しています。
• 統合ストレージソリューションへの参入
HDDベースのアレイに組み込み分析や故障予知機能を搭載し、ソリューション事業としてストレージ機器だけでなく運用支援サービスを併せて提供しています。
• 環境・耐久性強化
消費電力削減、耐衝撃性向上、振動耐性の強化に向けたR&D投資を継続し、エンタープライズおよびエッジ用途での信頼性確保を図っています。
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6. 技術・規制トレンド
近年の技術トレンドとしては、HAMRやMAMRによる面密度の限界突破、ヘリウム封入による消費電力低減、高速化と信頼性向上を両立するスマートセンサー搭載などが挙げられます。また、熱設計電力(TDP)やRoHS、WEEE指令をはじめとする欧米環境規制への適合が必須となり、製造プロセスや材料選定にも環境配慮が求められています。さらに、データ保護強化の観点から、自己暗号化ドライブ(SED)や耐タンパー機能付きHDDの採用が進んでおり、安全性要件が強化されつつあります。
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7. まとめと将来展望
世界のHDD市場は、クラウドサービスやビッグデータ解析に伴う大容量データの蓄積需要を背景に、2025~2032年の間に年平均6.3%成長すると予測されます。SSDとのハイブリッド運用による最適化が進む一方で、ペタバイト~エクサバイト規模のコールドストレージ領域やエッジデータセンター向けHDDの需要は今後も堅調に推移する見込みです。HAMR/MAMRといった先端記録技術の商用化と、環境配慮型製品やセキュリティ強化モデルの拡充が、市場競争力を左右するカギとなるでしょう。主要メーカーはハイパースケール事業者との連携強化やソリューション事業の拡大を通じ、単なるドライブ提供からプラットフォーム・サービス提供への転換を図ることで、新たな成長機会を追求しています。今後は、新興地域でのインフラ整備や規制対応力、製品イノベーションへの投資が、HDD市場の成熟度をさらに高める要因となるでしょう。
■目次
1. レポート概要
1.1 レポートコード、出版社・発行日、版数
1.2 英文タイトル、レポート形態(PDF/オンラインダッシュボード)
1.3 ページ数、納品方法、価格帯
1.4 産業分類・調査対象市場の定義
1.5 調査目的・主要調査項目
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2. 調査手法
2.1 二次調査
2.1.1 公的統計データ(WDC、IDC、各国統計局)
2.1.2 業界レポート・学術論文レビュー
2.2 一次調査
2.2.1 HDDメーカー・OEM担当者インタビュー
2.2.2 データセンター運営企業ヒアリング
2.2.3 チャネルパートナー(流通・小売業者)アンケート
2.3 市場規模推計手法
2.3.1 トップダウン方式
2.3.2 ボトムアップ方式
2.3.3 感度分析・シナリオ分析
2.4 データ検証および品質管理プロセス
2.4.1 クロスチェック手順
2.4.2 アウトライヤー検出・補正
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3. 市場定義・セグメンテーション
3.1 ハードディスクドライブ(HDD)の定義・範囲
3.2 製品種類別セグメント
3.2.1 SATA HDD
3.2.2 SAS HDD
3.2.3 その他(FC、USB外付け)
3.3 フォームファクタ別セグメント
3.3.1 3.5インチ
3.3.2 2.5インチ
3.3.3 1.8インチ/マイクロドライブ
3.4 インターフェース別セグメント
3.4.1 内蔵(オンボード)
3.4.2 外付け(USB、Thunderbolt)
3.5 エンドユーザー別セグメント
3.5.1 データセンター/クラウド事業者
3.5.2 エンタープライズ(サーバ・NAS)
3.5.3 コンシューマー(デスクトップ、外付けドライブ)
3.5.4 特殊用途(監視、ゲーム機、レコーダー)
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4. 市場動向・需給要因
4.1 成長ドライバー
4.1.1 クラウドインフラのバックアップ需要増大
4.1.2 ビッグデータ・アーカイブ用途の拡大
4.1.3 高密度記録技術(HAMR、MAMR)の商用化
4.2 抑制要因
4.2.1 SSDへのシフトと小型デバイス市場の需要低下
4.2.2 原材料価格・サプライチェーンコストの上昇
4.3 機会(オポチュニティ)
4.3.1 新興国クラウドサービスの普及
4.3.2 再生可能エネルギーセンターでの長期保存ソリューション
4.4 トレンド
4.4.1 エネルギー効率・省電力設計の進化
4.4.2 スマート監視・予知保全機能搭載HDDの台頭
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5. 世界市場規模分析
5.1 過去実績:2018~2024年の市場規模推移とCAGR
5.2 予測:2025~2032年の市場規模推計と成長率
5.3 価値(売上高)ベース vs ボリューム(出荷台数)ベース比較
5.4 製品種類別市場規模・シェア分析(2024年基準)
5.5 フォームファクタ別市場規模・シェア分析
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6. 製品種類別詳細分析
6.1 SATA HDD市場
6.1.1 容量帯別シェア(1TB~4TB、5TB以上)
6.1.2 エンドユーザー別採用動向
6.2 SAS HDD市場
6.2.1 企業向け高信頼性市場のニーズ
6.2.2 技術規格(12Gb/s、24Gb/s)の動向
6.3 外付けHDD市場
6.3.1 USB3.0/USB-C対応製品動向
6.3.2 ポータブル vs 据置型シェア
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7. エンドユーザー別詳細分析
7.1 データセンター/クラウド事業者向け
7.1.1 ブリッジ用途 vs アーカイブ用途
7.1.2 SLA要件と保守サービス市場
7.2 エンタープライズ市場向け
7.2.1 サーバー・ストレージアレイ採用動向
7.2.2 NAS/SAN市場との連携シナリオ
7.3 コンシューマー市場向け
7.3.1 デスクトップPC内蔵/外付けHDDシェア
7.3.2 バックアップソリューションとのパッケージ化
7.4 特殊用途市場向け
7.4.1 監視カメラシステム
7.4.2 ゲーム機・セットトップボックス
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8. アプリケーション別分析
8.1 モバイル/ポータブルコンピューティング用途
8.2 デスクトップPC用途
8.3 ニアラインストレージ用途
8.4 アーカイブ/バックアップ用途
8.5 エンタープライズミッションクリティカル用途
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9. 地域別市場動向
9.1 北米市場
9.1.1 米国:データセンター投資動向と規制環境
9.1.2 カナダ:金融・ヘルスケア分野の採用事例
9.2 欧州市場
9.2.1 ドイツ:産業4.0とHDD需要
9.2.2 英国/フランス:プライバシー規制対応製品の動向
9.3 アジア太平洋市場
9.3.1 中国:クラウド大手の設備投資動向
9.3.2 日本:高耐久HDDの産業用途シェア
9.3.3 韓国:大手メーカーシェアと技術競争
9.4 中南米市場
9.4.1 ブラジル:通信インフラ整備との連動
9.5 中東・アフリカ市場
9.5.1 サウジアラビア:政府主導のデジタル化施策
9.5.2 南アフリカ:エネルギーコストとストレージ選定
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10. 競争環境分析
10.1 市場構造・集中度(CR4、HHI指標)
10.2 主要企業プロファイル
10.2.1 Seagate Technology
10.2.2 Western Digital
10.2.3 Toshiba Memory/Kioxia
10.2.4 その他(SMR専門ベンダー等)
10.3 M&A・技術提携動向
10.4 新製品・技術ロードマップ
10.5 価格戦略・プロモーション手法比較
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11. 付録
11.1 用語集
11.2 調査対象企業一覧
11.3 図表リスト
11.4 調査チームおよびお問い合わせ先
■レポートの詳細内容・販売サイト
https://www.marketresearch.co.jp/hard-disk-drive-hdd-market/
■その他、Persistence Market Research社調査・発行の市場調査レポート一覧
https://www.marketresearch.co.jp/persistence-market-research-reports-list/
■ (株)マーケットリサーチセンタ-について
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企業サイト:https://www.marketresearch.co.jp
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