看護師の転職後満足度調査レポート
株式会社アクタガワHRM
更新日:2025/7/7
「何が違う?転職成功者と後悔者の分かれ道」転職後の満足度と失敗ポイント調査
本調査は、看護師に従事経験のある方々を対象に、転職後の満足度についての回答を分析したものです。医療現場の人材定着・働き方改善のための基礎資料となることを目的としています。
アンケート調査の背景・要旨本記事は、株式会社アクタガワHRM(本社:静岡県静岡市)が実施した看護職従事者の転職満足度をテーマにしたアンケート調査の結果となります。
調査の結果、転職経験者が75%を占める中で、転職後の満足度は「満足」が54.2%、「不満足」が17.4%となりました。
転職時のギャップとして給与・待遇面(35.8%)、人間関係・職場雰囲気(34.8%)、実際の仕事内容(31.8%)が上位を占め、転職前の重視項目と実際の結果にズレが生じている実態が明らかになりました。
転職回数3回以上が33.6%を占める現状を踏まえ、転職成功に向けた事前準備と情報収集の重要性が浮き彫りとなっています。
調査概要・
調査方法 :インターネットによるアンケート調査
・
対象者 :全国の看護職従事者
調査項目
・現在の職業について
・これまでの転職回数
・直近の転職後の全体満足度
・転職後のギャップ
・転職前に重視していた項目
主な調査結果
・職業構成:正看護師78%、准看護師8%、看護助手・看護補助者3.3%、過去従事者3.7%
・転職経験:転職経験者75%(1回26.1%、2回15.3%、3回以上33.6%)、未経験者25%
・転職満足度:満足層54.2%(とても満足10.5%、まあ満足43.8%)、不満足層17.4%
・主要ギャップ要因:給与・待遇面35.8%、人間関係・職場雰囲気34.8%、実際の仕事内容31.8%
・転職重視項目:給与・手当57.5%、働きやすさ50.4%、人間関係・職場雰囲気43.3%
これまでの転職回数
転職経験者が75%を占める結果は、看護師における転職の一般化を示しています。
特に「3回以上」が33.6%と最も高い割合を占めることは、看護師の職場定着の困難さを表していると考えられます。「1回」26.1%、「2回」15.3%と合わせると、複数回の転職を経験している看護師が多数存在することが明らかになりました。
一方で「転職経験なし」が25%存在することは、職場に定着している看護師も一定数いることを示しており、転職する層と定着する層の二極化が進んでいる可能性が示唆されます。
直近の転職後の全体満足度
転職後の満足度において、「とても満足している」10.5%と「まあ満足している」43.8%を合わせた満足層が54.2%となりました。
この結果は、転職により一定の成果を得られている看護師が過半数を占めることを示しています。
しかしながら、「あまり満足していない」12.9%と「後悔している」4.5%を合わせた不満足層が17.4%存在することも重要な課題です。「どちらとも言えない」が28.4%と約3割を占めることは、転職の効果が曖昧で明確なメリットを実感できていない層の存在を示唆しています。
まとめ
本調査により、看護師の転職は量的には活発だが質的な満足度に課題があることが明らかになりました。
調査結果で最も重要な課題は、転職前の期待と転職後の現実のギャップです。このギャップが転職満足度を押し下げ、結果として転職を繰り返す悪循環を生み出している可能性が示唆されます。転職回数3回以上が3割を超える現状は、個人の転職スキルの問題というよりも、情報の非対称性と労働市場の構造的課題を反映していると考えられます。
転職満足度の向上には、転職者個人の情報収集能力向上だけでなく、医療機関側の情報開示改善と透明性向上が不可欠です。また、転職に頼らない根本的な労働環境改善により、転職の必要性自体を減らすことも重要な視点でしょう。
看護師不足が深刻化する中、既存人材の職場定着と転職時の満足度向上は、医療の質確保と人材確保の両面で極めて重要な課題です。本調査結果を踏まえた包括的な改善策の実施が、看護職全体の職業満足度向上に寄与することが期待されます。
株式会社アクタガワHRM
【事業内容】
医療・介護専門 労働者派遣事業
医療・介護専門 有料職業紹介事業
特定技能外国人紹介・登録支援業務
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