看護師のキャリアへの関心調査レポート

株式会社アクタガワHRM

公開日:2025/7/8

看護師のリアルなキャリアアップについての実情を調査

本調査は、看護師に従事経験のある方々を対象に、キャリアへの関心について回答を分析したものです。医療現場の人材定着・働き方改善のための基礎資料となることを目的としています。

アンケート調査の背景・要旨

本記事は、株式会社アクタガワHRM(本社:静岡県静岡市)が実施した「看護師のキャリアへの関心」をテーマにしたアンケート調査の結果となります。

医療現場の人材定着・働き方改善のための基礎資料となることを目的としています。

正看護師が87.1%を占める高いキャリア意識の一方で、41.7%がキャリアアップに関心を持ちながらも実際の行動に移せていない実態が判明。主要な阻害要因として時間確保困難(62.6%)と費用負担(34.5%)が挙げられ、個人の努力では解決困難な構造的課題が浮き彫りになりました。

資格未保有者が57.3%を占める現状を踏まえ、組織的な学習環境整備と経済的支援体制の充実による包括的な支援策が必要です。



調査概要

調査方法 :​インターネットによるアンケート調査


対象者  :​全国の看護職従事者




調査項目
・キャリアアップ(資格取得や昇進)への関心度
・現在保有している資格
・資格取得や昇進が難しいと感じる要因(複数選択可)
・今後取得したい資格や目指したい役職


調査結果の概要
職業構成:正看護師87.1%、准看護師7.6%、看護助手5.3%
キャリアアップ関心度:高関心層41.7%(非常に関心がある11%、ある程度関心がある30.7%)
資格保有状況:未保有者57.3%、認定看護師7.8%、専門看護師6.4%、認定看護管理者2.1%
主要阻害要因:時間確保困難・業務多忙62.6%、費用負担34.5%、責任増加への懸念23.9%
今後の目標:認定看護師志向14%、看護管理職志向11%、教育担当希望8%、その他・不明確49%


調査結果から、看護師の約4割がキャリアアップに関心を持ちながらも、時間的・経済的制約により実際の行動に移せていない構造的課題が明らかになりました。



キャリアアップへの関心度



関心度の高い層(非常に関心がある+ある程度関心がある)が41.7%に達することは、看護師の半数近くがキャリアアップに対して興味があることを示す重要な指標です。

しかし、この高い関心度が実際の行動に結びついていない現状が最大の課題となっています。

「非常に関心がある」11%の層は、明確な意志を持つ行動準備層と位置づけられ、具体的な支援策により短期間での成果が期待できます。一方、「ある程度関心がある」30.7%は最大のボリュームゾーンであり、適切な動機付けと環境整備により行動に移る可能性が高い層です。この層への効果的なアプローチが、組織全体のキャリア意識向上に大きく寄与すると考えられます。



現在保有している資格



資格未保有者が57.3%を占める結果は、基礎資格から専門資格への移行における構造的な課題と看護師自体の専門性の高さを示しています。

この層の多くは臨床経験を積み重ねており、さらなる専門性向上に踏み出せない、もしくは踏み出さない状況にあります。

認定看護師7.8%という数値は、特定分野での専門性を求める現場ニーズの高さを反映していますが、取得プロセスの複雑さと負担の大きさも同時に示唆しています。

専門看護師6.4%の低さは、大学院教育という高いハードルが影響していると考えられます。認定看護管理者2.1%という数値は、看護管理者不足という業界課題を数値として裏付けており、計画的な管理者育成プログラムの必要性を強く示しています。



資格取得や昇進の阻害要因

勉強時間確保困難と業務多忙を合わせて、62.6%が最大の障壁となっている結果は、看護師の勤務環境の厳しさを如実に表しています。

夜勤を含む不規則な勤務体制と長時間労働により、継続的な学習時間の確保が極めて困難な現状が浮き彫りになっています。日常業務に追われる中で自己研鑽の時間を捻出することの困難さが明らかです。費用負担34.5%は個人の経済的限界を示しており、現状の条件で労働を続けるうちは改善が難しいことが考えられます。

職場支援不足14%は組織風土の問題を示唆し、管理者の理解不足や制度の未整備が影響していると考えられます。責任増加への懸念23.9%は、キャリアアップのメリットが明確でない現状を反映しており、適切な評価制度の必要性を示しています。



記事の全文を見る



まとめ

本調査の結果、看護師のキャリア形成支援は、個人の意識向上だけでなく、組織的・制度的な環境整備が不可欠であることが明らかになりました。

特に重要なのは、関心の高い41.7%の層を確実に行動に移すための具体的で実行可能な支援策の提供です。時間的制約と経済的制約という2大阻害要因に対しては、包括的なアプローチが効果的と考えられます。

また、49%を占める「その他」層への個別アプローチにより、潜在的なキャリア意識を顕在化させることで、組織全体の専門性向上が期待できます。

看護師不足が深刻化する中、既存の人材の専門性向上とキャリア満足度の向上は、離職防止と質の高い医療提供の両面で極めて重要な課題です。本調査結果を踏まえた計画的で継続的な支援体制の構築が急務といえるでしょう。



ふじのくに静岡看護師求人ナビは、静岡県内での人材サービス事業の開始よりいち早く看護師や介護職の業務に特化。
地域ごとの専任担当者が医療や介護施設様へ直接訪問して求人情報を収集し、お仕事を探している看護師や介護職の方との橋渡しをしています。

その実績は20年以上に渡り、取り扱い求人件数、派遣・紹介実績は静岡県内最大級です。
現在では、保育業務にも領域を広げ、より多くの「働きたい人」と社会を繋げています。



株式会社アクタガワHRM

【事業内容】

医療・介護専門 労働者派遣事業
医療・介護専門 有料職業紹介事業
特定技能外国人紹介・登録支援業務

URL    :アクタガワHRM | 静岡県の医療・介護・保育・特定技能外国人材サービス
関連サイト:ふじのくに静岡介護求人ナビ



▶採用ご担当者様のお問い合わせはこちら