オネエライター・ブルボンヌが選ぶ 自分らしく生きられる本ベスト5

なんでもランキング

2013/2/6

バレンタイン、意中の彼に振り向いてもらいたい…。とはいえ無理して女の子っぽくする必要ないのよ! とのお言葉は、ブルボンヌさま。今話題のオネエライター・ブルボンヌさんに「自分らしく生きられる5冊」を選んでもらったラコ!

ブルボンヌ 女装パフォーマー/ライター、新宿二丁目Campy!barのママ。『知りたがり!』(CX)『ノンストップ!』(CX)等のTV出演。大学特別講義の講師、企業内LGBTに関するセミナーのMC。現在、『オレンジページ』『シティリビング』『サイゾーウーマン』『ケトル』『Gina』連載

1位
ブスなオカマのギャグ漫画
アグリっ娘 (Badi comics)
アグリっ娘 (Badi comics)
  • 著者名:小日向
  • 発売元 : テラ出版
  • 価格:690円

マツコデラックスや私が以前編集していたゲイ雑誌『Badi』で連載していた漫画です。ゲイの作家さんが描く、非モテでブスなゲイの悪友2人組を主人公にした、むちゃくちゃ面白い作品なの。非モテってそりゃ悲しいことだけど、どこかで笑い飛ばすしかないとも思うのよ。卑屈になってる暗いブスよりは、笑ってる楽しいブスのほうが絶対評価されるし、その良さに気づく人もちゃんと(たまに)いる。この作品を読み終わると、ドブスな主人公たちを好きになってるようにね。造形美という、ないものを悲しんでるより、今あるものをどう利用して楽しむかってこと。

2位
約20年前に、ドラァグクイーンを描いてた
恋のはじまり (ポプラ文庫 さ 3-1 Sakurazawa Erica Collec)
恋のはじまり (ポプラ文庫 さ 3-1 Sakurazawa Erica Collec)
  • 著者名:桜沢エリカ
  • 発売元 : ポプラ社
  • 価格:648円

これに収録された「サロン」という作品を、上京したての大学生の頃に読んだのよね。田舎から都会に出てきた少女が、ちょっとお兄さんでオネエさんな、ゲイやドラァグクイーンのグループと仲良くなって、成長していく物語。当時は最先端のカルチャーだったゲイクラブやオシャレなホームパーティの中で、オネエさんたちの生き方に感化されて、塞いでいた心を開放していくの。まだまだ偏狭な価値観も残る社会だけど、自分でそれを解放することはできるのよね。巻末に、アタシの著者インタビューが収録されてるんだけれど、エリカちゃんもずっと「自分らしい幸せ」をかっこよく掴んできた女性なのよ。

3位
「女の美への執着」を描いた傑作
洗礼 (1) (小学館文庫)
洗礼 (1) (小学館文庫)
  • 著者名:楳図かずお
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:570円

アタシ、昔から楳図かずお先生を崇拝してるんですけど、数ある作品のなかでもオネエ的にたまらないテーマね。老いへの恐怖に囚われた往年の大女優と、その娘に起こる狂気の出来事が描かれているの。アタシもヒゲとかシミを厚塗りで消しまくってるけど、こんな恐ろしい若返り術を考えるババア、怖すぎ。きらびやかな世界ほど、その裏には醜いものが隠れているわ。そして、人間の思い込み、というものの凄まじさ。「狂った世界の中にただ一人狂わない者がいたとしたら、はたしてどちらが狂っていると思うだろう?」というセリフが、忘れられないのよね。

4位
装うことで、人は何にでもなれる
ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)
ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)
  • 著者名:美内すずえ
  • 発売元 : 白泉社
  • 価格:463円

これも舞台、ショービズの世界に生きる少女の物語。華やかな中で女のエグさも渦巻いてる世界はオネエの大好物なのよ。地味な主人公マヤが舞台の上でだけ入る別人スイッチ。実はゲイも、自分の気持ちを装って守ってきた人が多いと思うのよ。だからこそ虚実入り混じる女優やディーヴァの世界に惹かれる。「洗礼」では恐ろしいほうにいっちゃったけど、この40過ぎのオジサンが派手な女装ブルボンヌを演ってるように、装いや演技で人は何にでもなれるのよね。春の陽のようなお姫様にも、言葉を知らない狼少女にもなれる。女は一生、女優女優女優!

5位
ブルボンヌさんの持ちネタでもある!
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)
  • 著者名:宮崎駿
  • 発売元 : 徳間書店
  • 価格:421円

アタシ、ナウシカが好きすぎて、2丁目の余興ショーとかで「ナウシカショー」を15年もやってるの。ナウシカがスケベだったらってパロディなんだけど、これ侮辱してるんじゃなくて解放してるんですよ~! ナウシカってある意味、ノンケ男子の作った願望の塊みたいな聖女だもの。正直、こんなイイ子現実にはいないと思う。だからって、それに比べて自分は足りない、汚いって苦悩する必要はないのよ。この舞台が腐海にまみれた世界であるように、おおむねダメな自分の心の片隅に、ナウシカという希望を抱えていることが大事。その小さな聖女を殺さなければ、いつか奇跡は起こると信じて!

アタシ、読者に甘い夢だけ見させてるような設定が嫌いなんですよね。地味な女の子が、なぜか金持ちでイケメンの男たち何人もからアプローチされるなんて甘すぎる砂糖菓子もいいとこ。そんなので現実逃避してても、現実のほうは虫歯だらけのデブになるだけよね? 人間のエグさや汚い部分をちゃんと教えてくれた上で、それでも諦めないって作品が好きだわ。ブスはやっぱりモテないし、世界の多くは腐っていたり、女心は闇だらけだったりするけど、その負の部分を知ったうえで、だからこそありがたく輝く光に気づいてほしいと思うのよ。そうしないと、生きてるのもったいなくない?

ブルボンヌさん、ありがとラコ〜! 誰かに好かれたいと思ったとき、「自分らしさ」を見失わないことが、幸せの条件なのラコね! 他にもこんなテーマのランキングが知りたい!というのがあったら @bookrako までよろしくラコ!