お金の使い道を変えれば、暮らしは豊かになる。今日からマネできる、お金を整えるひと工夫

暮らし

公開日:2022/6/24

私らしい暮らしとお金の整え方
私らしい暮らしとお金の整え方』(柳沢小実/主婦の友社)

「お金の管理は苦手」という人は、多いのではないでしょうか。かくいう私も、大がつくほどの苦手。だからこそ、節約だったり、貯蓄だったりに耳が痛いし、目を背けたくなってしまうのが本心ですが、「どうにかしなくては」という思いに駆られていることも事実です。

 そんな折、手に取ったのが、『私らしい暮らしとお金の整え方』(柳沢小実/主婦の友社)。

 いざ「お金を整えよう」と思うと何から始めていいか、わからない。あるいは、完璧を目指そうとあれこれハードルを上げてみたり、きっちり管理しようとしたりして結局挫折……。そんな空回りの経験がある人も、多いのではないでしょうか。

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 この本が教えてくれるのは、我慢を強いられる節約でもなければ、難しいお金の話でもありません。もっと目の前にある“無駄”や、“できること”に気づかせてくれる1冊。なおかつ、無駄を省き、お金の使い方を整えることで、暮らしが整っていくことを教えてくれます。

私らしい暮らしとお金の整え方 P22-23

 実は、著者である柳沢小実さん自身も「お金はずっと苦手な分野」だったのだそう。そんな柳沢さんが長年かけて少しずつ実践してきた、お金の整理。そのためにしてきたちょっとした工夫は、すぐにマネできそうなことばかりです。

まずは財布の整理から。“使わない”ポイントのカードは持たなくていい

私らしい暮らしとお金の整え方 P25

 今やどのお店に行っても、ポイントはあたり前。ショップごとにカードは異なり、そのたびにあたふた。おまけに、ポイントを把握できず失効させてしまう…。そんな人も、少なくありませんよね。

 多くの人が何枚も抱えているこのポイントカードを、そもそも作らないというのが柳沢さんのルール。代わりに生活費のすべてをクレジットカードで支払い、JALとANAのマイルを貯めているそうです。すると、数年に一度、国内の無料航空券が2人分もらえるくらいはマイルが貯まるので、「我が家のポイント関連はこれでもう十分」なのだとか。

 お金を整えていくなかで、「持っていて当たり前とされるものでも、自分が使わなければ持たなくてもいい」ということも、柳沢さんが気づいたことのひとつ。

 そして、ポイントカードがなければ財布の中もすっきりして気持ちいいし、管理もしやすいですよね。ただでさえ苦手なことは、複雑だったり整頓されていなかったりすると、ますます面倒に見えてしまう。まず財布の中を整えることが、お金を整える第一歩のようです。

大物をシーズンの頭に買えば、たんすの肥やしも減らせる!

私らしい暮らしとお金の整え方 P56-57

“トップスはいくつあっても邪魔にならないし”と1シーズンに何枚も購入するものの、大半はタンスの肥やし。毎シーズン無駄な服を買っては後悔してしまう私が、すぐマネをしたいと思ったのが、“買い方の順番”を変えるというひと工夫です。

 柳沢さん自身も30代の頃はとにかく数が欲しくて、たくさん買って失敗もしてきたそうですが、40代の今は少数厳選派に。数を揃えるのではなく「愛せるひとつを大事にしていく買い方」にしたことで、これまで予算オーバーだった洋服にかけるお金を整えていったそう。

 そのための工夫のひとつが、「大物はシーズンの頭に買う」という方法。ダウンコートやバッグ、靴などワードローブの中でも値が張る大物をあえて先に購入。これらを買って残った予算で他のものを調達するようにしたことで無駄が省かれ、満足度もワードローブの質も上がったそう。また、例えばハイスペックのダウンコートを手に入れたら厚手のニットがいらないという発見も。高価なダウンも結果的にとても経済的だったそう。

 やるべきは、“買い方の順番”を変えるだけ。これならストレスなく取り入れられそうです!

プロの助言も参考に! 「知ること」こそが、不安打破の第一歩

 柳沢さんは、お金まわりを整えはじめたとき、お金の専門家の著書を20冊ほど読んだそうですが、その中で、圧倒的に自分に合っていたのが、ファイナンシャルプランナーの深田晶恵先生の本。

私らしい暮らしとお金の整え方 P108-109

 柳沢さん自身がお金と対峙する中でわかったのは、いくら貯めればいいのか、という金額のことより、「知らないこと」「わからないこと」が不安の一番の原因ということ。そして、深田先生の著書などを通し、「お金のことを知ることができたこと」が不安の打破の大きな一歩になったそうです。

 その深田先生といういわばお金のプロとの対談や、年金、税金、住宅ローン、投資などの具体的なアドバイスもこの本の特徴です。柳沢さんの疑問や、私たちが感じている不安などにも、わかりやすく答えてくれています。

私らしい暮らしとお金の整え方 P50-51

 この本では、ほかにも衣・食・住の中でできる、お金を整えるためのヒントがたくさん。とはいえ、どれもつらさを覚えるのではなく、「それ、いいかも」「マネしてみたい」と思えることばかりです。そして、そう思えるのは、実践したあとの暮らしのすっきり感や、心地よさが見えるからかもしれません。苦手意識をもったまま何もしなければ、ただただ不安が募るばかり。ちょっとした工夫を取り入れて、お金のことを少しずつ整えていきませんか?

文=柿沼曜子

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