投資に興味はあるけど怖くて踏み出せない…そんな不安は「学ぶ投資」で払拭! 知識ゼロから始める資産形成術 

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公開日:2023/2/20

こわい”がなくなる投資1年生の教科書
“こわい”がなくなる投資1年生の教科書』(佐藤彰/自由国民社)

 コツコツ貯金をしていても将来の暮らしが不安になる今の時代、未来の生活を豊かにするべく投資にチャレンジしたいと思っている人は少なくないだろう。だが、投資はリスクがあるもの。損をするのが「怖い」という感情がこみ上げてきて、一歩踏み出す勇気を持てないまま時間ばかりが経っていないだろうか。

“こわい”がなくなる投資1年生の教科書』(佐藤彰/自由国民社)は、そんな恐怖心を和らげてくれるマネー本だ。

リスクのない方法も!投資初心者は「学びの投資」で知識と経験を養おう

 ファイナンシャルプランナーである著者の佐藤氏いわく、投資初心者は投資に対するリテラシー不足が原因で、「あやしい金融商品に手を出してしまう」「本来自分が取れる以上のリスクをとってしまう」等の失敗をする可能性が高いとか。そこで、まずは“お金を学ぶ“ことを目的とした「学びの投資」にチャレンジしようと訴えている。

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 著者が挙げる「学びの投資」は3タイプ。

こわい”がなくなる投資1年生の教科書

①少額投資…証券口座を開設して、ごく少額の投資を始める
②ポイント投資…日常生活の中で身近にある様々なポイントを使って投資ができるサービスを利用する
③バーチャル投資…株式投資のシミュレーションアプリなどを使って、バーチャルなデモ取引を行う

「とにかく現金もポイントも減らしたくない」という人は、バーチャル投資という方法もあるようだ。今の自分の気持ちをチェックしてみよう。

こわい”がなくなる投資1年生の教科書

 本書ではそれぞれの始め方を詳しく紹介しているほか、おすすめの証券会社や使いやすいバーチャル投資アプリなども紹介しているのでそこから始めてみるといいだろう。それぞれ投資法のメリットやデメリットの解説を参考に、自分に合うものを選び、未来のための訓練をしていこう。

 なお、「学びの投資」をする際はマネーダイアリーの用意をすすめている。出入金記録に加え、投資の前後に感じたことや考えたことなども綴るとよいのだそう。

 例えば、投資時は購入時の銘柄や買った理由、買う時の気持ちなどをメモ。どのくらい価格が上下するかの予想も記しておくと、投資のリスクを自分がどう見ていたのかが分かるとか。

 そして投資後には、自分の投資に対する良かった点・悪かった点などの気づきや、その時の心境などを記載。マネーダイアリーで振り返れば、投資のリテラシーが向上し、自分の投資傾向や許容できるリスクの程度も知ることができるのだという。これを繰り返していけば、「投資は怖い……」という感情に変化が生じるはずだ。

資産形成の投資はNISAやiDeCoを活用しよう

 苦手意識が小さくなったら、いよいよ本格的な「資産形成の投資」に進む。著者がすすめるのが、本来なら税金がかかる「投資で出た利益」を非課税にできるNISAの活用だ。現在、成人が選べるNISAは「一般NISA」と「つみたてNISA」だが、投資初心者が選ぶべきは後者なのだとか。

 なぜなら、つみたてNISAは非課税の投資枠が年間40万円で、最長20年間投資できるから。一般NISAの5年間という非課税期間よりもはるかに長い。さらに2024年からは無期限になる予定なので、投資を検討するには良いタイミングだ。

こわい”がなくなる投資1年生の教科書

 著者いわく、失敗しない投資の三大原則は長期、分散、積立投資。つみたてNISAはこれらを満たしているため、資産形成の投資として適しているという。

 また、掛け金を積み立てながら自分で運用する私的年金制度「iDeCo」も推奨している。iDeCoもNISAと同じく非課税で投資ができ、掛金全額が所得控除されて所得税や住民税が軽減したり、運用益が非課税となって再投資され、複利効果で投資元本が増えていきやすくなったりと、メリットがより大きい。

 NISAとの併用も可能だが、原則60歳になるまでは資金の引き出しができないなどの注意点もあるので、このようなメリットとデメリットの両方を正しく理解した上で運用を検討していこう。

 ちなみに、本書には自分で考えて自由に投資をしたくなってきた時に役立つ「楽しむ投資」の仕方も収録。自身の投資スキルがレベルアップしたら参考にしてみるのもよさそうだ。

 知識ゼロでも少額から始められる「学びの投資」は、未来の暮らしに対する漠然とした不安を軽減してくれる、大きな武器に成長するかもしれない。

文=古川諭香

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