「藤原竜也がマッチョを操ったり、大人数に襲われたり…」女子高生がおすすめの邦画をひたすらプレゼンする異色マンガ

マンガ

公開日:2023/7/2

邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん
邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん』(服部昇大/ホーム社)

映子のプレゼンで『クリーピー 偽りの隣人』を観た人多数

邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん』(服部昇大/ホーム社)の最新刊が、10月に発売されます。あっという間にSeason10(10巻)。登場人物も増えてにぎやかになってきました。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん』はその名の通り、女子高生の“邦キチ”こと邦吉映子が、ひたすら邦画を紹介する世にも珍しいプレゼン漫画です。話題作から、「え、そんなのあった……?」という渋めの作品まで、幅広いラインナップ。映子のプレゼンを聞くと、邦画に興味のない人も思わず観たくなるから不思議。

 特に西島秀俊主演の映画『クリーピー 偽りの隣人』は、映子がプレゼンしたことで観た人が増えたとか、増えなかったとか。それくらい衝撃的なプレゼンだったわけですが、ほかにも魅力的なプレゼンはまだまだあります。

 Season9(9巻)までに紹介された作品の中から、珠玉のプレゼンをセレクト。あなたもきっと観たくなるはず!

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どんな邦画も観たくなる魅惑のプレゼン4選

●Season2『HiGH&LOW THE MOVIE』

 2016年製作のアクション系邦画、通称「ザム」。TAKAHIRO、青柳翔らLDH所属の俳優たちが総出演したこの作品は、ヤンキーにチーマーに暴走族と、あらゆる不良文化をクロスオーバーさせた映画です。しかしドラマが2シーズン、映画が5作品もあるため初心者には少しハードル高め。

 でもご安心を。「ザム」の概要を映子が丁寧に説明してくれます。おかげで複雑な世界観もすっきりクリアに。極めつきは映子の「ハイローとは琥珀さんの大河ドラマなのです!!」という一言。

 細かいことはわからなくても、EXILEのAKIRA演じる「琥珀」さんの物語ということがわかれば断然観やすくなります。一言ですべてを理解させる。それが映子のプレゼンなのです。

●Season3『MONSTERZ(モンスターズ)』

 韓国映画『超能力者』を日本版にリメイクしたサスペンス映画。藤原竜也と山田孝之がW主演を務めます。〈すべての人間を超能力で操れる藤原竜也vs.絶対に操れない山田孝之〉という、大変興味深いストーリーです。

 映子は藤原竜也について「どんなキャラでも演じられる高い演技力」と高評価。この映画ではそんな藤原竜也の迫真の「えっ!?」が何度も観られるのだと熱くプレゼンします。全然意味はわかりませんが、すごく気になります。また、劇中繰り広げられる攻防のエピソードも「藤原竜也がマッチョを操ってきたり」「すごい人数に襲われたり」と、断片的な情報で好奇心を刺激してくる映子。最終的にどちらが勝つのか気になって、結局観てしまうのです。プレゼンの力ってすごいですね。

●Season4『雪の華』

『邦キチ!映子さん』は、基本的に結末に関するネタバレはあまりありません。ですが、『雪の華』に関してはラストシーンもばっちり触れられています。ただしこの作品においては、ハッピーエンドであることがある程度予想されているのであまり問題ではありません。むしろ、映子が結末まで明かしているにもかかわらず、なお観たいと思わせるプレゼンがすごい。「劇中で3回フィンランドに行く」「手ぶらでフィンランド」など絶妙に面白いシーンだけピックアップして、読者を引き付けます。さらに主演の登坂広臣の「声出していけよ!」「何だよ!」といった口癖を並べ、実際に聞いてみたいと思わせる高等テクニックも繰り出します。

 一方で公開された2019年は、日本とフィンランドの国交樹立100周年という豆知識もさらっと教えてくれる映子。本当に学びの多い漫画です。

●Season7『花束みたいな恋をした』

 菅田将暉と有村架純主演、坂元裕二脚本の王道ラブストーリー。興行収入30億円を突破した大ヒット作です。主人公二人の切ないすれ違いが、多くの人々の涙を誘いました。しかし映子によるとこの作品の見どころは、なんといっても出会いのシーン。

「初対面の2人がたまたま入ったカフェに何と…押井守監督がいるのです!」
「押井守の話をきっかけに2人の会話は弾みます!!」

 たしかにそうでした。そう言われると、出会いのシーンをもう一度観たくなる不思議。どこを見どころと捉えるかは人それぞれなんだなと気付かされます。

 なおこの回は、映画が大好きだけど話がつまらないと言われている大学生、池ちゃんが登場。映子とのプレゼン合戦が大変盛り上がる神回です。

 ほかにも、実写版『魔女の宅急便』、『多動力 The Movie』『大怪獣のあとしまつ』など、名プレゼンが満載の『邦キチ!映子さん』。Season10でも映子の独特なプレゼンが炸裂すること間違いなし!

文=中村未来

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