沼らせてカレシに溺愛される方法! 風間俊介ら出演ドラマ「初恋、ざらり」の作者が描くガチ恋愛テクニック

マンガ

公開日:2023/9/7

溺愛カレシの作り方 セから本命になる女の子の話
溺愛カレシの作り方 セから本命になる女の子の話』(ざくざくろ/コルク)

 好きな人がいて、いい感じだと思うのに決定的な一言はない。彼はほんとのところどう思ってるの……? そんなモヤモヤ恋愛にハマったことがある、または現在進行形でハマり中のあなたにぜひ読んでほしい一冊。それは現在放送中のドラマ『初恋、ざらり』の原作者としても知られるざくざくろさんの『溺愛カレシの作り方 セから本命になる女の子の話』(ざくざくろ/コルク)です。

 本書の主人公・桜は会社の同僚・圭介のことが大好き。ふたりで飲みに行った帰りに終電を逃して彼の家にお泊りしたものの、何も起きず。「しちゃってもよかったんだけど…大事にしてくれてるとか?」と思いを巡らせていると「付き合ってへんのにセックスしたらアカンで」とどこからともなく声がします。その声の主は帰り道に拾った人形……もとい妖精のざくちゃん。ざくちゃんは圭介の様子をみて、「ウチ的に超怪しいで」と桜に警告します。しかし聞き入れず、後日圭介と体の関係を持ってしまう桜。すると圭介の態度はどんどん冷たく、LINEの返事も来なくなります。そこで彼の家に乗り込むという最悪な行動をとってしまう桜にざくちゃんが一言……! 以降桜はざくちゃんのアドバイスを聞き入れ、圭介にまた振り向いてもらえるよう努力を重ねることにします。

「人間は『過去』から(未来を)『予想』する生き物。その『予想』を大きく裏切ることが駆け引きを制する」や「相手が不安になるくらいの好き度を演出しぃや」など名言を連発するざくちゃんは、まるで恋愛の女神。桜に的確&すぐに実践できるたくさんのアドバイスを伝えます。付き合う前も付き合ってからも、恋愛の駆け引きの勝者となるにはとにかく相手を安心させないこと、押す時と引く時のタイミングをしっかり見極めること。そのタイミングまで具体的に指示してくれるざくちゃんと、それを素直に受け入れる桜。連絡したい気持ちをこらえて、時には小悪魔的に圭介を翻弄して……すると圭介の方からアプローチが来るようになります。

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 しかし、そもそも相手を不安にさせるようないわゆるクズな男を好きになってもし付き合えたとして、それで幸せになれるのでしょうか? 冷静に考えれば湧いてくるそんな疑問にもしっかり触れているのが、本書のさらに素敵なところ。もちろん詳細はここには書けませんが、ふたりの間に納得の答えが出ていることはお約束します。

 さらに本書はハウツーとしてだけではなく、物語としても魅力的。恋する相手としてはどう考えてもよろしくない圭介に桜が惹かれてしまう気持ちに納得できるし、圭介が相手を不安にさせる恋愛をしてしまう理由も描かれています。そして後半の思いもよらない展開からのラストには、単なるハウツーものかと思っていたのに「やられた!」と思ってしまいました。

 自分が相手にハマるのではなく、相手をハマらせるためにはどうすればいいのか? その答えが載っている本書。気になる方はぜひ読んでみてください。

文=原智香

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