パジャマパーティーや花札大会… 日常を楽しむマダムたちのハッピーなルームシェアライフ

マンガ

公開日:2024/5/1

マダムたちのルームシェア

 人生100年時代という言葉もすっかり定着してきた。長生きの可能性に喜びを感じる反面、経済的なことや健康面、孤独といった不安も頭をよぎる。歳をとってもいいことなんて何もなさそう…。不安でいっぱいになりそうな世の中に「こんな風に歳を重ねたい!」と希望を与えてくれるのが『マダムたちのルームシェア』(seko koseko/KADOKAWA)だ。SNSでも大人気の本作は、日常を楽しむアイデアが詰まったマダムたちのルームシェアライフをポップなフルカラーで描くコミックエッセイだ。


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マダムたちのルームシェア

 仕事で疲れた日も、何だか眠れない夜も、雨が続いて出かけられない日々だって、日常を楽しむ天才たちと暮らしていたら落ち込んでいる暇なんてない!

 フランスでは品のある素敵な大人の女性をマダムと呼んでいるが、マダムの呼び名がしっくりくる女友達3人が本作の主人公。優しくおっとりした性格ながらアクティブな面も持つ晴子。季節感と食べることを大事にする栞。流行りに敏感で気遣い上手な沙苗。趣味も気質も異なるけど、日常を楽しむ天才であるマダムたちのルームシェアライフがポップに描かれている。

マダムたちのルームシェア

 死別や離婚を経ての友人3人でのルームシェアはとにかく楽しそう! パジャマパーティーに誕生日会、おうち喫茶店ごっこや夜更けの花札大会など、毎日が楽しみに溢れたルームシェアライフを次々と見せてくれる。

マダムたちのルームシェア

 毎日に大きな不満があるわけではない。でも不満がないからこそ毎日に刺激がなく、そんな「平穏」をつまらないと感じてしまっている。代わり映えのない毎日を楽しむことができたらいいのに。そう思ったことはないだろうか?

 いい天気だからどこかへ行こう。雨が続くなら家で楽しもう。当たり前の発想のようでいて実行できるかどうかで満足度に大きな差が出る。その時々で自分たちのやりたい! 好きや嫌といった感情を大事に行動するマダムたちの姿に、日常って思うよりずっと楽しいものなんじゃないかと思えてくる。

マダムたちのルームシェア

「イベントの過ごし方に正解なんてない!」
「やるなら楽しんだもんがち!」

 今を全力で楽しむマダムたちの言葉が背中を押してくれる。

 お互いをさらりと褒め合うことができ、誰も否定をせず受け入れてくれるマダムたちの懐の深さが、心地よさをくれる本作。例えばこの歳で新しい環境へ飛び込むのは勇気がいるもの。悩まないわけがない。周りの目が気になることもある。懐の深さは悩んだり苦労したりした経験があってこそ! マダムたちの葛藤や過去が垣間見えるエピソードも添えられることで、よりマダムたちの日常を愛おしく感じることができる。

マダムたちのルームシェア

 家と会社の往復だけの代わり映えしない毎日の繰り返し、仕事と育児に追われあっという間に過ぎる日々は、日常を楽しむことから程遠いところにある気がしてしまう。どうしたら日常を楽しむことができるのだろうか?

 マダムたちは3人だから楽しいのではなく、それぞれ1人でも楽しめるから一緒ならより楽しむことができている。そんなマダムたちの日常を楽しむアイデアを拝借してみてはいかがだろうか。日常を楽しむ余裕がない人にこそ読んでほしい、あなたの日常に楽しさがプラスされる一冊だ。

文=ネゴト/ Ato Hiromi

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