「母性じゃなくて経験!」母だって初めから出来た訳じゃない。子育ては白目をむきたくなるパニックの連続

マンガ

公開日:2024/4/30

子育てしたら白目になりました

 育児エッセイのおもしろさ、その1番は共感だと思う。とくに、イライラ・苦しい・しんどい…といったネガティブな感情が描かれていると「自分だけじゃなかったんだ!」と気がつきほっとする。

 白目をむきたくなるようなパニックな毎日を、冷静な突っ込みで乗り越えるママのコミックエッセイ『子育てしたら白目になりました』(白目みさえ/KADOKAWA)は、育児あるある&スカッとのオンパレード! 現状を分析するような冷静なツッコミが、追い詰められがちなママの心にそっと寄り添ってくれる。読みながら「よくぞ言ってくれた!」と拍手喝采になる読者も多いはずだ。

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 白目姿がトレードマークの白目みさえさんは2人の娘を育てながら心理カウンセラーとして働くワーキングマザー。会社員の夫と家事育児をシェアしながらなんとか家庭を回して…というのは理想の形で、実際のところ負担はみさえさんにのしかかるばかり。そんなクラクラするような毎日に、みさえさんは母として、妻として、白目をむきながらせいやっ! と立ち向かっていく。

子育てしたら白目になりました

 収録されているお話は「育児」「夫」「義母との生活」の3テーマに関するもの。とくに注目していただきたいのは、書籍化にあたって描き下ろされた「義母との生活」編だ。みさえさんの妹が義母と過ごした壮絶な1年間を語るエピソードで、型破りな義母とのせめぎあいや単身赴任中の夫との意思疎通に悩んだ妹さんの姿が描かれていく。

「わたしは結局どうするのが正解だったんだろう?」とこぼす妹さんにみさえさんが語りかけた「人付き合いの真理」に心を射抜かれたファンも多く、読めばきっと勇気をもらえるはずだ。

子育てしたら白目になりました

 個人的なお気に入りは、やはり夫への白目エピソード。「帰宅時間を連絡しない」「1から10まで言わないとできない」「熱っぽいときのしんどいアピール」など、常日頃感じている夫のイラっとする瞬間を辛口だけど冷静な「みさえ節」でバッサリ斬り捨ててくれている。

子育てしたら白目になりました

 ひとりひとりは違う個体のはずなのに、夫という生き物はなぜこうも似通ってくるのだろうか…! どんなご家庭でも1度は悩むであろうあるあるネタが満載だ。白目をむきたくなるような夫の行動を、みさえさんならどう乗り越えるのか。ぜひ参考にしていただきたい。

子育てしたら白目になりました

 ノリがよく切れ味のよいみさえ節。鬱憤をうまく言語化してくれているだけでなく、こう言えば相手に伝わるのか! と参考にできるような言い回しにしばしば感心させられる。唯一無二の白目キャラというインパクトと、おもしろいだけで終わらないみさえさんのツッコミは一見の価値がある。育児の苦楽をユーモアたっぷりに描く本作が、疲れたママに笑いと元気を届けてくれるはずだ。

文=ネゴト/ あまみん

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