「若いうちに知っておいたほうがいいこと教えます」TikTokで話題の恋の救世主による初エッセイ

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公開日:2024/4/5

この恋の結末は私が決める
『この恋の結末は私が決める』(山田飛鳥。/KADOAKWA)

 好きな人に振り向いてほしい。思わせぶりなことをされて困っている。都合のいい関係をやめたい。倦怠期が来てしまった。恋人をもう好きではなくなったかもしれない。友だちと好きな人が被ってしまった。友だちから恋人に発展したい。幸せになりたい……。

『この恋の結末は私が決める』(山田飛鳥。/KADOAKWA)は、このような恋愛に関する悩みを抱える人に向けたエッセイだ。

 著者の山田飛鳥。さんは2023年3月にTikTokで投稿を開始したばかりだが、現在フォロワー数は20万人を超える。「若いうちに知っておいたほうがいいこと教えます」というフレーズから始まる動画が大きな反響を呼んでいる。

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 ハッとする独自の恋愛論が支持されており、本書でも余すことなく綴られている。

 カバーイラストを担当したのは、hashuさん。思わず吸い寄せられる装丁も注目ポイントの1つだ。

 恋愛はドキドキするもの、倦怠期はよくないものだと考えている人は多いのではないだろうか。

「ドキドキしないから好きじゃないから好きじゃないのかも」と言っている人は「この子、ラグドールじゃないから猫じゃないのかも」と言っているのと変わりません。

記念日にあけたワインのコルクですら香らなくなっていきます

 本書には、今まで持っていた価値観がひっくり返される言葉が詰まっている。ときには、耳が痛くなるような言葉も……。恋愛のコツ、真理をたくさん学べる一冊だ。

恋愛のテクニックでよく聞く「押して引く」の「引く」は、連絡を取らないことではありません。引く時に大切なのは、どこかにいってしまうかもしれないという不安を相手に残すことです。
水族館デートを提案すると次に会う口実をつくりやすくなります。

 TikTokで話題の、山田飛鳥。さんが考える恋の打開策や必勝法も注目される。終わってしまいそう、と思った恋もまだ終わっていないかもしれない。

 恋愛に関する悩みは尽きない。本書で山田飛鳥。さんは読者の悩みに真摯に向き合い、解決するヒントを伝えている。恋愛観や自分自身を見つめ直すきっかけとなり、読後は胸がすっとするだろう。

文=うさぎ