朝に何も食べたくない人向けのレシピも掲載! “朝ごはん”だけのレシピをぎゅっと詰めたレシピ本

暮らし

PR更新日:2024/5/31

午前7時の朝ごはん研究所"
午前7時の朝ごはん研究所』(小田真規子:著、スケラッコ:絵・マンガ/ポプラ社)

 1日3食の食事の中でも、かなり特異な存在といえるのが「朝食」だ。

 朝食では、ランチやディナーのように「豪華なもの」を食べることは少ない。時間的に作る余裕・食べる余裕がない人もいる。「朝はあまり食べたくない」という人もいるだろうし、まったく食べない人もいるだろう。

 そんな朝食について、「何ならラクに作れるか」「何を食べると体が気持ちよく感じるのか」「どんな栄養を摂るべきなのか」などなどを多角的に検証し、レシピとしても提案してくれるのが『午前7時の朝ごはん研究所』(小田真規子:著、スケラッコ:絵・マンガ/ポプラ社)だ。

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 著者は100冊以上の料理本を出版してきた料理家の小田真規子さん。本書では、そんな小田さんの知見をもとに、いつもの朝食が美味しくラクになるレシピ&新常識が159個も掲載。人気漫画家のスケラッコさんによるマンガ&イラストも随所に使われているので、パラパラと流し読みする感覚で、朝食作りの基礎知識やテクニックを楽しく学べる内容となっている。

 読んでいて、「これは今すぐ試したい!」「これなら自分でも簡単に作れそう」と感じたレシピやアイデアが非常に多かったので、本記事ではそれを実際に試しながら本書をレビューしていこう。

身体が「心地いい!」と感じるレモン水

 まず、筆者が真っ先に作ってみたのが「浸透レモン水」。飲食店でサーバーに入って置かれていることもある、あのレモンの入った冷たい水だ。

浸透レモン水
一口飲むと目の覚める爽やかさ! 長期保存すると皮の苦みが出てくるので、2日以内に飲み切るのが推奨だそう

 作り方は超簡単。少量の塩でレモンの皮を揉みつつ水洗いし、あとはスライスして水と一緒にボトルに入れるだけ。冷蔵庫で一晩置いたら美味しいレモン水の完成だ。

実際に朝に飲んでみたら、抜けるような爽やかな酸味が頭をシャキッと目覚めさせ、渇いた喉をスーッと潤してくれるのが本当に心地よい。喉を通った冷たい水分が、体の奥まで行き渡っていくのも体感できた。

 なお本書では、朝の体に欠けている5つのピースとして「栄養」「エネルギー」「体温」「水分」「やさしさ」を挙げている。このレモン水は、朝に必要な水分を補ってくれるだけでなく、「何も食べたくないし飲みたくない……」という朝にも喉を通る“やさしさ”があり、ビタミンCや疲労回復効果のあるクエン酸などの“栄養”も摂ることができる。なので、体が感じた心地よさは、非常に理にかなったものなのだ。

 そのほか、栄養面でも「やさしさ」の面でも素晴らしいと感じたレシピが「オリーブオイルしらすごはん」だ。

オリーブオイルしらすごはん
使う食材はオリーブオイル、しらす、青のりのみで、作り方はぶっかけるだけ!

 一つ一つの食材が栄養面で優れているだけでなく、爽やかな磯の香りにオリーブオイルの風味が合わさった味わいが驚くほど美味。優しい塩気が心地よく、サラサラと食べられる口当たりも非常に優しい。卵かけご飯すら食べられない朝でも、これなら美味しく食べられるはずだ。

 このように本書のレシピは、簡単に作れるうえに、効率的に栄養や水分を補ってくれて、なおかつ優しい口当たりのものが多い。水出しのアイスコーヒーや、焼くのではなく茹でる塩鮭など、昼間に摂る食べ物や飲み物と比べると“軽め”で“薄味”のものが目立つのも特徴だと感じた。これは朝食に特化した本ならではといえるだろう。

 そのほか、レンチンで作れる「ふわほろ蒸しパン」なども作ってみたが、特別な具も入っておらず、パンチの効いた甘さもない蒸しパンも、朝に食べると何だか心地いい。もちもちフカフカな食感が非常に優しく、牛乳やコーヒーと合う美味しさだった。

ふわほろ蒸しパン
使う食材はホットケーキミックスとサラダ油、砂糖、牛乳のみ。あとは耐熱ボウルに入れてレンチンするだけ

「朝食は気合を入れて作るよりも、少し手抜きくらいでシンプルに作ったほうが体に心地いい」ということが、本書では様々なレシピや検証データで示されている。そして、作って食べることで、それを実際に体感できる。自分の朝食を見直すことで、体や生活を改善したい人には非常にオススメな1冊だ。

文・料理=古澤誠一郎



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