1軍、2軍、3軍…「人気者」ってどんな人? スクールカースト最下層の米国人が見つけた「格づけを上げる方法」とは?

暮らし

2017/7/10

『マーヤの自分改造計画―1950年代のマニュアルで人気者になれる?』(マーヤ・ヴァン・ウァーグネン:著、代田亜香子:訳/紀伊國屋書店)

 昨今よくとりあげられる“格差社会”、これを嘆いているのは大人ばかりではない。中高生にもインドのカースト制になぞらえたクラス内階層、“スクールカースト”が存在する。本人の容姿や運動能力のほか、家庭の経済力、彼氏彼女のあるなしやコミュニケーション能力などの要素によって「1軍」「2軍」「3軍」…「オタク」「地味子」「ブサメン・キモメン」…などとランク付けがされる。カースト上位者は、クラス内での発言力があるが、下位者はパシリなどの不遇な扱いを受け、いじめの対象になることもある。上位者が下位に陥落することはあっても、下位者が上位者になる下剋上は基本的には発生しないようだ。

 スクールカーストは、人気ドラマ『glee(グリー)』や映画『Mean Girls(ミーンガールズ)』でも描かれたように、アメリカにも存在する。カースト最上位には、運動部(特にアメフト)に所属する男子が君臨し、女子は、モデル並みの容姿で目立つ女子がおさまっている。そんなアメリカで、スクールカースト最下層の女の子の本が話題になった。

 『マーヤの自分改造計画―1950年代のマニュアルで人気者になれる?』(マーヤ・ヴァン・ウァーグネン:著、代田亜香子:訳/紀伊國屋書店)は、スクールカーストに挑むべく斬新なチャレンジをしたマーヤの孤軍奮闘の記録だ。世界20カ国で刊行され、ニューヨーク・タイムズのベストセラーとなった。

■ランキング最下層の「社会的はみ出し者」の決断

 マーヤはひょんなことから、60年以上も前に出版された『ベティ・コーネルのティーンのための人気者ガイドブック』に出会い、人気者になるための一大決心をする。ダイエット、ヘアスタイル、姿勢、お肌の手入れとメイク、アクセサリー…ひと月にひとつ、ベティの本のアドバイスどおりに生活し、自分の考えたことや周りの反応を日記に残すことにしたのだ。

■スクールカーストの階層を超えて

 ある日マーヤはベティの本のこんな一節に目を留める。

ひとりの人間として成長したいなら、人気者になりたいなら、自分の殻に閉じこもっていてはいけません。

 人見知りで友達をつくるのが苦手なマーヤにさらにベティはたたみかける。

いちばん大切なのは、人とうまくやっていくということです。ずっとひとりでいたら、楽しくありません。人と分かちあわなければ、ほんとうの喜びは得られません。つまり、友だちをつくることです。

 そこでマーヤは一念発起する。カーストごとに集まっているランチのテーブルをまわって、みんなに話しかけることを決行。そして、みごと、最も人気のあるグループのテーブルにつき、彼らと会話することに成功したのだ。

 マーヤのチャレンジはひと筋縄ではいかない。みんなに笑われたり、傷ついたり、くじけそうになったり。ネガティブな思いさえもありのままに記録しつつ目標にむかってひたむきに進む姿は、忘れかけていたものを思い出させてくれる。読み終えた後、なにかに挑戦してみたくなる1冊だ。

文=銀 璃子