良好な夫婦関係を維持するための“公認不倫”。夫に恋人がいるのはアリ?ナシ?『1122』
更新日:2018/1/5


立場が変われば、体の関係も変わるのが夫婦というもので、“レス”の人も多いのです。

レスなだけではなく、“婚外恋愛許可制”により、夫は妻(いちこ)公認で不倫中。

だから、恋をして、ルンルンの彼を見ても、平気…なはずだった。

夫婦なのに、二人の間のそれはややこしく、特別なものになってしまっていた。

(そして、甘い言葉にまんざらでもない)

婚外恋愛を認めながらも互いを愛おしく思う、“いびつな”夫婦の形の行く末は?
おとぎ話のよくあるハッピーエンディングに、“王子様と結婚しました。めでたしめでたし”というものがあります。
しかし! 二人の本当の生活は、ここから始まるのです。
結婚して家族になったその先は、恋人時代より長い。良好な関係の維持が困難になっていくのは想像に易しいところです。
本作冒頭で、日本の夫婦の47.2%がセックスレスという事実が示されますが、それは必ずしも夫婦仲が悪いということではありません。
恋人から家族へと、関係性が変われば相手への想いも変わるのは当然で、更には体の関係にだって影響はあります。
つまり、今まで以上に相手を大切に想っていたとしても、“恋”がなくなれば、体は結べないこともあるのです。
それでも、セックスがないのは寂しい…。そんな矛盾にも思える夫婦間の問題を、本作主人公のいちこ&おとやんカップルは、“公認不倫”という、なんとも衝撃的な形で解決しようとしています。
自分にとって大切な人である夫が、自分以外の誰かと恋をして、一夜を明かして帰ってくる。
良かれと思って始めたこの“制度”ですが…本当にそんなに割り切った考え方ができるのでしょうか?
既婚者にとっては本作の多くの部分はかなりリアリティがあり、共感する点も多い一方で未婚者にとっては現実を突きつけられるかもしれません。
いちこ&おとやんが、どのような“夫婦の形”にたどり着くのか、非常に興味をそそられます。


『1122』
レーベル:モーニング・ツー
出版社:講談社
著者:渡辺ペコ
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(C)渡辺ペコ/講談社