「まだ産める? もう産めない?」……子どもがほしい、と思っているすべての人に知ってほしい、「卵子の老化」と「高齢妊娠」の真実

出産・子育て

2018/1/18

『まだ産める? もう産めない? 「卵子の老化」と「高齢妊娠」の真実(健康ライブラリー)』(河野美香/講談社)

 卵子が老化することをご存じだろうか? 精子が男性の生涯を通じて作られるのとは異なり、卵子は減り続ける。母親のお腹の中にいる胎児の時がピークで、出生前からすでに減り始めている。つまり、残っている卵子は、私たちと同じだけ歳を重ねているということだ。

 卵子の老化は不妊とも関連があるので、子どもを望んでいる方にとっては、大いに気になるところだろう。「老化」「不妊」と聞くだけで、漠然とした不安を感じてしまいそうなので、正しい知識を身につけるために『まだ産める? もう産めない? 「卵子の老化」と「高齢妊娠」の真実(健康ライブラリー)』(河野美香/講談社)をオススメしたい。婦人科医として自身のクリニックを運営する著者が、「子どもがほしくなったとき、なかなか妊娠しないときにどうすればいいか、きちんとした知識を持っていてほしい」との思いから執筆した一冊だ。

■卵子の老化を加速させる生活とは?

 本書によると、「卵子の老化」は「卵子の質の低下」を意味する。これに伴い妊娠する力が低下するのだが、生活習慣によっては、老化が加速することもある。その代表的な要因は「冷え」。冷え性だと感じている方は、これまで以上に気をつけた方が良さそうだ。他にも、食生活の乱れ、アルコール、睡眠不足、喫煙、肥満、痩せすぎなども、卵子の老化を加速させる要因となる。どれもこれも、心当たりがあるようなものばかり…。今まで以上に生活習慣を見直す必要がありそうだ。

■卵子の老化は測れるのか?

 卵子の老化が避けられないのは仕方ないとして、現在の状態を測定する方法はあるのだろうか? 例えば、肌年齢のように「卵子年齢○○歳」といった形で測定できれば、老化状況に応じてケアができるかもしれない。ただ、残念ながら卵子そのものの老化を測定することはできないそうだ。代わりに「卵巣の老化」を測定する方法はいくつかある。最近では、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が、「卵巣の余力」を知るための参考となる。

■卵子の老化と不妊の関係とは?

 著者によれば、普通に性生活を営んでいるカップルなら、結婚して1年で約80パーセント、2年で約90パーセントは妊娠することができるそう。そのため、1年以上妊娠しない場合に「不妊症」と診断される。不妊には様々な原因があるが、不妊全体の10~35パーセントは、検査をしても原因が分からない。これを「原因不明不妊(機能性不妊)」といい、精子や卵子の妊娠する力の低下が原因だと考えられている。

 卵子が老化すると、妊娠する力が低下するため、場合によっては自身の卵子での妊娠が難しくなるかもしれない。そうならないためには、正しい知識を身につけて、前もって計画することが大切。本書には、そのために必要な情報が豊富に盛り込まれている。不妊や高齢妊娠に関するQ&Aや、不妊治療を受けた結果、異なる選択をした女性たちの例も挙げられており、様々な状況に置かれた方に参考にしていただける内容だ。

 現在や近い将来に出産を希望している方はもちろんだが、「出産は先のこと」と考えている方も、本書を読めば思ったほど時間がないことに気づくだろう。どうしても妊娠が難しい場合には、養子縁組の制度なども紹介されているので、新しい選択肢が見つかるかもしれない。ひとりでも多くの方に手に取っていただきたい一冊だ。

文=松澤友子