自分に素直になれない女子の背中を押してくれる映画『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』

エンタメ

2018/2/11

 少女漫画といえば、ちょっとドジだけど一生懸命なかわいい主人公が、いつのまにか王子様みたいな男の子から好かれ、そうこうしているうちに自分のことを好きな男の子がもう一人現れて……という夢みたいな棚ボタ展開が多い中、この『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』は一味違う。“ 好き と言えない ヒロイン未満の女子に贈る”というキャッチコピー通り、「好き」という気持ちを伝えることの大切さを、等身大の人間模様の中で教えてくれる。

 主人公・住友糸真(黒島結菜)はクラスメイトにハブられ、家庭では母の三人目の再婚相手とうまくいかず、居場所を失って父の暮らす北海道へ引っ越してくる。そこで出会った舘林弦(小瀧望)・桜井和央(高杉真宙)と自然と仲良くなる糸真だが、最初に友達になった国重晴歌(川栄李奈)に、「ふたりと仲良くなった人はみんなからハブにされる」と教えられ……。

 原作は超人気作家・いくえみ綾が描いたマンガ『プリンシパル』。作中で黒王子・白王子とも表現された弦と和央、タイプの違うふたりのいくえみ男子のかっこよさ。そして糸真と晴歌をはじめとした、これまたいくえみマンガの特徴でもある、ちょっと腹黒かったり、相手に過剰に気をつかってしまったりといったリアルな女子同士の人間関係の描写で青春の悩みと煌めきがリアルに描かれている。

 映画では、傷つきたくない、嫌われたくないが故にこれまで自分の気持ちを相手に伝えられずにいた糸真が、恋も友情も、自分の気持ちとまっすぐ向き合い相手にぶつけることで自分の人生の主人公(=プリンシパル)は自分であるということを取り戻していく過程がよりくっきりとまとまっている。

 原作のいくえみも「みなさんキラキラしていて……本当にかわいかったです!」と太鼓判を押すメインキャスト四人のフレッシュさだが、特に注目なのが和央を演じる高杉真宙。原作では「かわいく言ってみせてるけど食うのは生肉だよね!」「だよね! 和央みたいだね!」という和央と糸真のやりとりがあるが、その見た目はかわいいんだけど中身は腹黒いし、でも相手のことをよく見ていて心の機微に聡い、和央というキャラクターをしっかりと作り上げている。

 弦を演じるジャニーズWESTの小瀧望は今作が映画初主演。彼が「この映画を見て、あなたもヒロインになってください」と言うように、この映画は恋に友情に、自分の気持ちに素直になる一歩が踏み出せないあなたの背中を、きっと押してくれる。

文=原智香