禅語でモヤモヤを解消! 寝る前の5分でスッキリできる解決型ビジネス本

ビジネス

2018/3/20

『翌日の仕事に差がつく おやすみ前の5分禅』(島津清彦/天夢人)

 人は日々、多くの悩みを抱えながら生きている。その中でも切り離せないのが、ビジネスの悩みだ。本書は70個の禅語で仕事の悩みやビジネスの課題を解決できる「禅語×ビジネス」書と『翌日の仕事に差がつく おやすみ前の5分禅』(島津清彦/天夢人)なっている。

 禅語と聞くと、難しいイメージを持ってしまうかもしれない。しかし、著者である島津清彦氏は禅僧と経営コンサルタントというふたつの顔を併せ持っているため、ビジネスマンとしての実体験を交えながら、禅語を分かりやすく解説してくれる。本稿では、本書の中でも特にビジネスマンの心に響く禅語をいくつかご紹介したい。

■大切なものはいつでも自分の手の中に

 いつの時代も、隣の芝生は青く見えるものだ。人間は欲深い生き物でもあるから、現在の自分自身や置かれている環境になかなか満足できない。「高給取りになりたい」という欲や「同期よりも出世したい」という気持ちは、社会に出ていくと誰だって一度は抱くだろう。しかし、嘆いているばかりでは、現状は変えられない。

 こうした時は「明珠在掌(めいじゅたなごころにあり)」という禅語を思い出してみてほしい。「明珠」とは宝石のように輝く、自分にとっての大切なもののことで、「在掌」とはすでに持っているという意味だ。この禅語は“大切なものはいつだってすでに自分自身が持っている”ということに気づかせてくれる。自分が持っている才能や実績を活かすような努力をしていけば、隣の芝生を羨ましく思わない「理想の自分」に近づくことができる。未来の自分を決めるのは、いつだって自分自身なのだ。

■私はいつだって「主人公」

 生きていると、時に自分の形が分からなくなってしまうことがある。特に日本は「前にならえ」の精神が根付いているため、職場や学校、家庭などで列を乱さないよう、意識してしまうことも多い。しかし、自分の人生は自分で楽しくしていくものだ。

 島津氏が勧める「主人公」という禅語には“本当の自分”だけでなく、“自分の中に眠っている本当の自分”という意味もある。主人公として生きていくためには、自分がどんな生き方をしていきたいのかを、まず具体化してみることが大切だ。例えば、会社勤めがなんとなく性に合わないと感じている方は思い切って、フリーランスや起業家の道を考えてみるのもいい。そして、家庭で居心地の悪さを感じているのであれば、男や女、父親や母親という役割をただこなしていくのではなく、主人公として生きながら役割をこなしていってもいいのだ。枠に収まらない主人公な生き方をしていけば、人生はもっとスリリングでドラマチックに彩られていくだろう。

■負けるが勝ちのビジネス術

 新入社員が入ってくる時期になると、部下の出来が気になってしまう方も多い。しかし、あまりにも部下が優秀すぎると、自分の価値が分からなくなってしまう。こうした時はつい、自分のほうが優秀なのだとアピールしたくなることもあるが「自未得度先度他(じみとくどせんた)」という禅語を心に留めておいてほしい。

 この禅語には「私のことは構わずにどうぞ先にお進みください」という意味がある。負けを認めるのは悔しいことだが、負けを受け入れてこそ得られる宝もある。例えば、優秀な部下をサポートしていくことで、成果が得られるかもしれない。実際、島津氏もビジネスマン時代に優秀な部下の支援者になってみたところ、社内でチーム全体が好転し、自分自身も昇格できたのだそう。自分自身だけではなく、他人をどう活かせるかを考えていくことが、今の日本の社会には必要なのかもしれない。

 島津氏が解説する禅語はビジネスの場だけでなく、普段の日常生活に当てはめることもできる。禅語は自信を与えてくれたり、人間関係において揺るがない信頼関係を築くためのカギにもなってくれたりするだろう。自分らしい人生を構築していきたいと思っている方はぜひ、本書の中から座右の銘にできるような禅語を発見してみてほしい。

文=古川諭香