「下心も精力もすっかりなくなった」ビートたけしが語る「オンナ論」

エンタメ

2018/3/28

『ビートたけしのオンナ論』(ビートたけし/サイゾー)

「英雄、色を好む」という言葉がある。歴史的偉人のナポレオンや豊臣秀吉に用いられることが多いようだ。“英雄”とたたえられる人物は仕事にも女性にも精力的だという証拠なのだろうが、不倫や浮気がことさら強くバッシングされる風潮の今の日本では、こういう意味での“英雄”はあまり求められていないだろう。しかし、“デキるオトコ”の周りには当然のごとく“オンナ”が集まる。それも世の習いだ。

『ビートたけしのオンナ論』(ビートたけし/サイゾー)は、齢70を超えて「勃たない」と豪語?するビートたけしが、女優、政治家、犯罪者…ありとあらゆるオンナたちを独自の切り口で一刀両断する。今だから話せる自身の女性遍歴やスキャンダル満載で、爽快感すら覚える毒舌ぶりはいまだ健在だ。さまざまな場面でたくさんのオンナたちを見てきたことは確かだろう。

■バリエーションに富んだオンナたち

 お笑い芸人として頂点を極め、また、世界で認められた映画監督でもある著者のビートたけし。物申すオンナたちのラインナップも実に豪華。

 宮沢りえ、浅田真央、長澤まさみ、ベッキー、広末涼子、藤原紀香、吉田羊、坂口杏里、飯島愛、山本モナ、小池百合子、豊田真由子、山尾志桜里、小保方晴子、ろくでなし子、清水富美加、木嶋佳苗、酒井法子…。

 本人曰く「下心も精力もすっかりなくなった」目線でオンナたちを斬っていく。しかし実際、そんなオンナたちの影には必ずといっていいほど、これまた問題あるオトコたちの存在があるものだ。

結局のところ、オトコとオンナの仲も同じで、訳のわからない期待を勝手に相手に抱くからロクなことにならないってだけ。この本の中にはそういったバカな男女の見本がずらずら並んでいると思ってもらったらいいんじゃないか。

■オンナ観の原点はおふくろ

 男性にとっていちばん身近で影響を受ける女性は母親だ。母親との関係性がその男性の女性に対する目線を左右するといっても過言ではなさそうだ。本書の著者も例外ではない。こんな一説が示されている。

オイラの女性観の原点はおふくろだね。よくマザコンっていわれるけれど、いわゆる一般的なマザコンとは違う。マザコンは理想の異性像が母親ってことだけれど、オイラのはそんなんじゃない。付き合うオンナに“母親”は求めるけれど、それは、うちのおふくろのように、「オイラの世話をしろ」ってことなんだ(笑)。

 世のフェミニストたちが聞いたら抗議してきそうな言葉だが、そんなことは著者自身は百も承知であろう。オンナたちへの批判や文句が記された本書だが、読み終わった後、不思議なくらいに著者ビートたけしの、オンナたちへの深い愛情を感じる、そんな1冊だ。

文=銀 璃子