誰も言わないなら僕が言う! 高須院長の忖度なしの発言は「イエス!」

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2018/4/4

『炎上上等(扶桑社新書)』(高須克弥/扶桑社)

「ノブレスオブリージュ」という言葉をご存じだろうか。直訳すると「高貴さは義務を強制する」。身分が高い人たち(同様に、豊かな者、お金持ち)は、それに応じた社会的責任と義務を果たさなければならないという欧米社会の道徳観だ。

 ハリウッドのセレブリティたちは率先して慈善事業の活動に参加したり、とんでもない金額をポンっと寄付したりする。彼らには自然に「ノブレスオブリージュ」の価値観が身についているのだろう。

 日本ではどうだろう。あまり知られていないが日本にもちゃんと実践している人がいる。貧しい国に学校建設、チベット難民支援、阪神淡路大震災時に被災者の治療1年間無料、熊本地震時に自分のヘリで救援物資を運ぶ…それはいったい誰か? イエス!…でお馴染みのあの人だ。

『炎上上等(扶桑社新書)』(高須克弥/扶桑社)を上梓したのは、日本でいちばん有名な美容外科医、高須クリニック院長の高須克弥氏だ。目立った言動で常に注目されていることと、他人の顔色をうかがわず常に忖度なしのガチンコな発言が、たびたび炎上を招く。

僕は別に炎上させたくて発言しているわけではない。正しいことは「正しい」、間違っていることは「間違っている」と言っているだけだ。

■幼いころはいじめられっ子

 高須氏は戦時中に防空壕で生まれた。代々続く医者の家系で、治療費が払えない患者たちの差し出す土地でいつの間にか地主になっていたという。ところが、祖父が全財産を満州鉄道に投資して全てを失いスッテンテンに。一気に一文無しになったことで、「白ブタ」と呼ばれていじめられるようになる。それでも臆することなく闘争心をむき出しにして、いじめてくる同級生には“愚民!”と応戦していたという。

結局、どの時代でも、どの国に行っても、どんな組織でもいじめはあるから、いじめそのものを無くすことは不可能かもしれないよね。
だから考えるべきなのはそれよりも、いじめに屈しないためにはどうすればいいのか、もしくは、いじめられないためにはどうすればいいのか、ということだと思う。

■「イエス!」は妻からもらった宝物

 いまや誰もが知っているあのキャッチフレーズ「イエス! 高須クリニック」。これは、亡き奥様が考え出したものだそうだ。国家主導で発展した日本の医療だが、美容医療に対しては長い間“いかがわしいもの”というイメージがつきまとった。高須氏はそれを変えたかったという。若さと美しさを手に入れることで積極的になり、その人の人生が大きく開かれることもある。体と共に心も治していくのが医者の仕事だと高須氏は信じている。

 正論か? 暴論か? 解釈はひとそれぞれだろう。出る杭は打たれ、言いたいことが言えない時代だからこそ、高須氏にはこれからも世の中をぶった斬っていってほしい。

文=銀 璃子