トラの狩りの成功率は5~10%!? いきものマニアが語る、あの動物たちのウラの顔

暮らし

2018/5/6

『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(ぬまがさワタリ/西東社)

「いきもの」の生態というのは、まさに神秘である。人間とは全く違う進化を遂げ、異なる生活環境の中で生きる動物たちの姿にワクワク感を覚えた記憶のある人も少なくないだろう。「誰もが知っている動物が実は……」といった話は、テレビなどでも紹介されたりしている。それだけ多くの人が、自分とは違う「いきもの」に興味や関心を抱いているということかもしれない。

 そんな気になる「いきもの」たちの面白い姿を描いたのが、『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(ぬまがさワタリ/西東社)である。多くの人が知っている動物が本当は意外な一面を持っていたり、想像もつかないような特殊な性質を持つ生物がいたりと、読む者を驚かせてくれる話が可愛らしいイラストと一緒に紹介されているのだ。図鑑といっても、難しいことは何もなく、好奇心を刺激する情報が満載。10日で10万部を突破し、SNSで話題の一冊だ。

 第1章は「ギャップにおどろく びっくり! いきもののオモテとウラ」と題して、広く知られている生物の知られざる「ウラ」の姿が描かれている。例えば、密林の王とも呼ばれるトラ。しげみに隠れて、獲物を一撃で倒す獰猛な動物であり、パワフルな見た目も相まって動物園などでも人気を集めている。ところが、トラの狩りというのはほとんど成功しないという。確率としては、およそ5~10%とのこと。まるでギャンブルのような成功率だが、8日に一度成功すれば充分な食料が確保できるらしい。見た目には強そうなトラだが、狩りをするとなると、いつも成功というわけにはいかない。動物たちの生活は人間の想像とは違うものなのだ。

『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(ぬまがさワタリ/西東社)P15より

『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(ぬまがさワタリ/西東社)P16より

 第2章は「知られざる特技&特徴 すごい! いきもののオモテとウラ」だ。すごい能力や特徴を持った動物を集めている。例えば、砂漠地域で移動手段として重宝されているラクダ。大きなコブには35kgの脂肪を溜め込むことができ、160kmという長距離を水分補給なしで移動できるのだ。見た目とは裏腹なスタミナの持ち主で、だからこそ大昔から乗り物として人間が利用してきたという。さらに、中東にはラクダのレースというものがあるらしい。全力疾走するラクダは、なんと時速65kmに達する。悠然と砂漠を歩くイメージとは違い、白熱した競争を見せてくれるというのだ。漠然とした印象だけではわからない、秘めた力を持った動物達がたくさんいるのだろう。

『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(ぬまがさワタリ/西東社)P105より

『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(ぬまがさワタリ/西東社)P106より

 第3章は「その暮らしなぞだらけ ふしぎ! いきもののオモテとウラ」となっており、とにかく不可思議な特徴や生態を持った生物が紹介されている。はじめに出てくるのは、学校の教科書に載っていることも多いカモノハシ。カモのようなくちばしとビーバーのような体を持つ不思議な動物である。ほ乳類にもかかわらず卵を産み、母乳で子育てをするのにちくびがないという。発見された当初は、標本を見せても「作り物だ」と批判されたという面白い生物である。ところがカモノハシにはもう1つ、ほ乳類としてはめずらしい特徴があるのだ。それが「毒を持っている」という点。ほ乳類では唯一、毒を体内に持つ生物で、それも犬一匹くらいなら軽く命を奪える猛毒なのだ。

『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(ぬまがさワタリ/西東社)P145より

『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(ぬまがさワタリ/西東社)P146より

 世の中には、数えきれないほどの「いきもの」が溢れている。人間の生活と密接に関わる動物もいれば、未知の生物だって存在するだろう。だからこそ、イラストでわかりやすく解説されている「いきもの」たちの知られざる生態は、読む人に驚きを与えてくれる。「見た目は可愛らしいのに?」「あのカッコいい動物が?」といった発見がいっぱい詰まったイラスト図鑑。著者は「『いきもの』好きな若いみなさんに向けて」と綴っているが、子供だけでなく大人でも充分に楽しめるだろう。「気に入ったネタがあれば誰かに話してみて」と著者がすすめているとおり、周りに話したくなるような情報が盛りだくさんなので、興味を持った人は手にとってみてはいかがだろう。

文=方山敏彦