ネコ師匠に成功の秘訣を学ぼう! 大事なことはすべてネコが教えてくれる

暮らし

2018/5/17

『「ネコ型」人間の時代 直感こそAIに勝る』(太田 肇/平凡社)

 現在、日本には空前の“猫ブーム”が到来している。2017年12月に発表されたペットフード協会の調査によれば、全国の推計飼育数は、猫が952万6000匹、犬が892万匹で、調査開始以来はじめて猫が犬を上回ったのだとか。そんな猫の魅力は、今話題の“SNS映え”する愛らしさに加えて、本来の気ままな暮らしぶりにもあるだろう。犬が集団生活を好み、飼い主に従順なのに比べて、猫は群れず自由に暮らし、エサを自分で取ってくることもある。そして、基本的に人の言うことはあまり聞かない。そんな猫の生き方に、私たち人間も学ぶべきところがあるのではないか? そう語るのが本書『「ネコ型」人間の時代 直感こそAIに勝る』(太田 肇/平凡社)だ。

■AI時代は「ネコ型」の天下

 本書でいう「ネコ型」人間とは、簡単に言えば、自由に、自発的に行動できる人たちのこと。著者によれば、これまで受け身で従順な「イヌ型」の方が有利であった就活や会社の現場でも、次第に「ネコ型」人間が求められるようになってきたという。その背景にあるのは、やはりIT化、そしてAI化だ。ロボットやパソコン、インターネットが普及したことで、仕事における単純作業の割合は大幅に減っている。これから普及が進むAI化も、この流れをさらに後押しするだろう。こうした社会では、与えられた仕事を黙々とこなすことよりも、自発的に行動し、オリジナリティのあるものを作ることができる「ネコ型」人間のほうが活躍できる。さらに、猫の特徴である「直感」も、AIには代替できない能力だろう。直感の鋭い人は、これからますます重宝されると著者は推測する。

■野良猫に学ぶ現代の処世術

 野良猫は、近所を転々としながら、複数の家で世話になっていたりする。また、飼い猫の場合も、犬のように家庭内の権力者に従順になるのではなく、気が向いたときにだけ、甘えさせてくれる人にすり寄っていく。つまり、猫には「主」という概念はなく、複数の集団に多元的に帰属しているのだといえる。これを、人間の生き方に置き換えてみよう。例えば、会社における「ネコ型」人間は、派閥に所属しないため、特定の上司から可愛がられたり、庇護されたりすることはないかもしれない。その代わりに、無意味な派閥争いに巻き込まれることがなく、その時々で社内のいろいろな人に頼ることができる。こうした「薄く広い」つながりは、仕事や人間関係の選択肢を広げ、リスクを分散することにもつながる。ひとつの組織だけに依存しているがために理不尽な要求にも従わざるを得ない…なんて状況も避けられるのだ。

 本書の後半では、こうした「ネコ型」人間、さらには「ネコ型」社会をどのように作っていくかについても語られている。組織的で従順な「イヌ型」から、自由で自発的な「ネコ型」へ――。あなたも猫の暮らしからヒントを見つけ、生き方を見直してみてはどうだろうか。

文=中川 凌