人付き合いが疲れるのは当たり前!「女の人間関係が面倒」と感じているアナタが身に付けたいスキル

暮らし

2018/5/22

『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(DJあおい/KADOKAWA)

「女の人間関係ってめんどくさい」――女性たちの中にもそのように感じている人は多いのではないだろうか。女性は男性よりも「共感」を大切にする生き物で、群れることが大好き。同調することが男性よりも重視される女性は、輪になじめないと息苦しさを感じることになる。特に日本は人間関係至上主義のようなところがあり、純粋な仕事の悩みより職場の人間関係で悩んでいるという人の方が多いという。そんな人たちにおすすめしたいのは『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(DJあおい/KADOKAWA)である。本書の特徴は、バランス感覚にすぐれていること。表面上のマナーの本でもなく、スピリチュアルな本でもない。本書「はじめに」の冒頭の一節は、ある種の衝撃だ。

人付き合いが辛い、疲れる、という話をよく聞きます。しかし、人付き合いというのはそもそも疲れるものなのです。疲れないように人付き合いをしたいなんて図々しいにもほどがあります。なにせ、生活をしていく上で一番疲れることが人付き合いなんですから。

 人付き合いに悩む女子をいきなりバッサリ。一方で、いつでも、誰にでも気を使えばいいのかというとそういうわけでもないと明言する。心がけるべきは「正しい気の遣い方」なのだ。

 本書は4章で構成されている。1章に自分自身の扱い方、2章にいろいろな人との付き合い方、3章で気持ちのトリセツ、そして最終章に付き合う人の選び方が書かれている。人間関係に悩む読者の一人として、気持ちがラクになったのは人見知りに関するくだりである。わたしもどちらかというと初めて会った人やよく知らない人の前では、自分を主張せずおとなしくしている。その人のことを知るまでは、どういう接し方をするのがよいか、じっと観察している。わたしのような人見知りにとって対極にいるのは、最初から誰にでもオープンに話ができる「ノリの軽い人」だ。人見知りなら、自分もそうできたら、と彼らに劣等感を抱いたことのある人も多いと思う。しかし、著者はコミュニケーションとは「お互いが気持ちよく話ができるために距離感をチューニングしていくもの」だとし、距離感を一切譲らずに軽いノリだけでコミュニケーションをゴリ押しする姿勢はチューニングの拒否であると述べる。こうしたノリの軽さは、「仲間」とか「マブダチ」感が重視される学生のコミュニーションでは役に立つが、社会人になるとむしろ他人であるぐらいの距離感の方が望ましいとする。

 女性は「仲間」意識が強いので、誰とでも仲良くならなければならないと考えている人は多いと思う。ここでも、救われたのが「損得勘定抜きで付き合う人はちゃんと選べ」と指南していることだ。損得勘定というと、冷たい感じがするのでどちらかといえば好ましくないと感じている人もいるかもしれない。しかし、著者は「損得勘定抜きの人間関係は、自分の好きな人や信頼している人と築くもの」であるという。むしろ、どうでもいい人とは徹頭徹尾、損得勘定で付き合うべきなのだ。

 要するに、大人とは、自分とは合わない人とも「礼儀」をもって接することができる人のことであり、好き嫌いだけでは関係を構築しない人のことである。人間だから、好き嫌いはもちろんある。が、好き嫌いは本当に自分が大切だと感じる人に持ち込む感情であり、それ以外の人とはソツなく接することが社会生活上、必要なスキルだということだ。逆を言えば、いい年をして好き嫌いでしか人と接することができない人は子どもだということ。そういう人と仲良くできなかったとしても、それは仕方のないことだろう。もし、周りにそういう人しかいなければ、自分の人との付き合い方に問題があると考えた方がよいかもしれない。友情は求めるものではなく、与えるものだという考え方でいれば女性としてレベルアップできる。すると自然と付き合う人も変わってくる。本書は一読したからといって、すぐに結果が出るものではない。何度も読み返し実践するうちに「大人の女性」としてのふるまいができるようになっていくのだろう。

文=いづつえり