男子にとってゲームとポルノは安全地帯? 笑いごとではない「男性劣化社会」

社会

2018/5/27

『男子劣化社会』(フィリップ・ジンバルドー、ニキータ・クーロン:著、高月園子:訳/晶文社)

すべての人々に新天地が開かれているというのに、移りゆく経済、社会、テクノロジーの環境下で若い男性だけはおいてきぼりにされている。

『男子劣化社会』(フィリップ・ジンバルドー、ニキータ・クーロン:著、高月園子:訳/晶文社)は「社会からはじかれた“先進国の男たち”」に焦点を当てた1冊だ。

 これまで、こういうときに論じられてきたのはもっぱら「女性」だったように思える。家父長制や偏見に縛られていたり、出世のための職場環境もいまだに順調に進んでいるとはいえなかったりする。

「若い男性がはじかれている」という状況はどういうことか。それはゲームやネット、ポルノに原因があるという。それらに依存することで、彼らはゲーム中毒やニート、引きこもりになる可能性がある。そうすると学業では女子にかなわず、女性との付き合いや性関係でしくじり、正規の職に就くこともできないかもしれない。そういった可能性を本書は行動心理学、社会学、生理学の視点を用いて論じている。

 では、男子たちが社会からはじかれないために、一体何をすれば良いのか。本書からその解決法をいくつか紹介したい。

●時間の使い方を見直す

 自分が1日の時間をどのように使っているかよく考えてみる必要があるだろう。ゲーム依存になるのは、人付き合いが苦手な人たちが多いそうだ。もちろんゲームをすること自体は、悪いことではない。しかしゲームによって社会との関わりに支障が出ているならば、その時間を減らす必要がある。まずは、他人と交流のあるゲーム――できれば実際に顔を合わせて行うゲーム――をするところからスタートしてみよう。

●ポルノチャンネルをスイッチオフ

 ポルノは「喜びを感じる能力」を奪うという。それは、生身の女性に会ったとき、そしてそれに触れるときの喜びだ。これは単に「視聴時間を減らす」だけでは意味がない。それだとただ短期間の効果をもたらすだけで、そのあとにリバウンドが生じ、逆効果になる。依存を克服するためには、ポルノの視聴は完全にオフにする必要がある。

●ベッドメイキングを自分で行う

 一日の最初の仕事、起床後すぐのベッドメイキングをきちんとやり遂げると、次にすべき仕事の数々を調子づけることができるという話がある。また、毎日小さなことをきちんとやる良い習慣をつければつけるほど、人生はポジティブになり、その習慣の上に実った成果を得やすくなるという。

 著者は「男たちにとってゲームとポルノは“安全地帯”なのだ」という。それらに触れてさえいれば自分で結末をコントロールでき、拒絶される恐れもなく、自分の能力を称賛される場所だからだ。しかし、そこにこもっているようではなんとも味気ない。

 ここで紹介した“劣化”の解決法はどれもとてもシンプルな方法である。それらを実行して一瞬で物事が全て解決するわけではない。しかしながら、社会との関わりを希薄に感じている、あるいはその気配のある男子は覚えておくと良いだろう。

文=ジョセート