会社でのストレスにヤラレないために。「やらされ感」を「やりがい」に変えるテクニック

ビジネス

2018/6/5

『会社に殺されない働き方』(難波克行/クロスメディア・パブリッシング:発行、インプレス:発売)

 組織の一員として働く会社員は、ある程度安定した生活を送ることができる一方で、人間関係によるストレスが常につきまとう。企業に勤める産業医である難波克行氏の元には、ある日突然モチベーションを失ってしまった若手社員や、研究開発の現場を離れたことで仕事に手ごたえを感じなくなってしまった管理職、周囲の理解を得られずに体を壊してしまった子育て中の女性社員など、さまざまな人が相談にくるのだとか。

 本書『会社に殺されない働き方』(難波克行/クロスメディア・パブリッシング:発行、インプレス:発売)では、そんな著者の経験をもとに、実際に起こりそうなケースを見ながら、職場のストレスに負けない解決方法を紹介している。

■ケース1:新しい職場になじめない…何が原因?

 重野さんは、転職したばかりの会社員。前職と近い業界に転職したため、その経験をいかして企画提案を行うこともあるのだが、「うちの会社とは違う」となかなか取り合ってもらえない。採用面接の場では、「職場に新しい風を吹かせてほしい」「品質管理のレベルアップに協力してほしい」と言われていた。しかし、実際には他の中途社員と同じ初歩的な業務しか与えられず、「本当に転職して良かったのか」と毎日悩んでいる…。

【問題点と解決策】
 著者いわく、人間関係のストレスは、「期待する役割と、実際とのズレ」から生じるのだという。そのため、問題を解決するためには、「どんなズレがあるのか」を落ち着いて考えることが大切になる。このケースは、会社が重野さんに期待していることを、重野さんが“誤解”しているのが問題だ。重野さんは、面接の場で言われた言葉通りに「積極的に業務改善を行う」ことが求められていると考えている。しかし、周りの態度からするに実際は「経験者だからこそ、まず業務の手順を早く覚えて、即戦力になってもらいたい」と期待されているのだ。このズレが、重野さんと、その周りの人たちとの間でストレスの原因になっている。重野さんは、会社から期待されている役割を自覚し、まずはその役割を果たす必要がある。

 

■ケース2:使えない後輩にイライラしない方法とは…?

 若田さんは、新入社員・滝本さんの指導役になってから、イライラすることが多くなった。滝本さんは同じミスを何度もやらかしてしまうため、若田さんもつい熱が入り、大声で指導してしまうこともある。また、周りが忙しそうにしているのに、滝本さんは定時になるとそそくさと退社してしまう。プライベートを楽しむのも結構だが、まずは職場での責任をきちんと果たすべきではないか…。

【問題点と解決策】
 ここでも、さきほどのケース1と基本は変わらないという。誰かに対して怒りを感じるとき、相手には実現が難しいことを“一方的に期待”してしまっていることが多い。物覚えの悪い後輩に「指示されたことを一度で完璧にこなす」ことを期待しても、そのニーズが満たされることはない。「ミスがあっても、周囲と協力しながら仕事をこなせるようになる」というように、相手の能力や状況に合わせた現実的な期待をするべきだ。また、定時で帰ることに関しては、重野さんが実際に被害を受けるわけではない。「自分には関係のないことだ」と考えられれば、そこまで腹は立たなくなるはずだ。

 

 本書では他にも「仕事が自分だけに集中してしまう」「二人の部下の板挟みになってしまう」「入念に準備をしても会議でうまくいかない」「仕事がマンネリ化している」…など、サラリーマンによくあるストレスのメカニズムを解説し、その解決策を教えてくれる。会社の“働き方改革”が進まないのなら、まずあなた自身が変わってみてはどうだろう。

文=中川 凌