「新作なのに何もかもが懐かしい」と話題! 久米田康治最新作は『改蔵』『絶望先生』のアイツらも登場!

アニメ・マンガ

2018/6/11

『スタジオパルプ』(久米田康治/白泉社)

『さよなら絶望先生』(久米田康治/講談社)が衝撃の結末を迎えてから、早いもので6年がたった。もう見られないと思っていたあのキャラクターたちが、このたび、新たな物語の中で生まれ変わる。久米田康治氏の最新作『スタジオパルプ』(白泉社)は、これまでの作品の登場人物が“実は役者だった”という驚きの設定。たとえば、『かってに改蔵』(小学館)の主人公・勝改蔵(かつ かいぞう)は、本名の「高橋」で、売れない役者として登場する…(笑)。長年の久米田ファンにはたまらない作品で、早くもTwitterでは「久米田節キレキレ」「新作なのに何もかもが懐かしい」などと話題を呼んでいる。

 ただし、これは、断じて“使い回し”ではない。漫画の神様・手塚治虫氏が生み出した、偉大なる“スターシステム”なのである。スターシステムとは、キャラクターを役者と同じように扱い、自分の別の作品の中で、違うキャラクターとして登場させる手法のこと。本作の舞台となる「スタジオパルプ」は、そんなスターシステムによって作られた、久米田ワールドのオールスターが集まる街。それをキャラクター自らが“B級”と呼ぶところは、なんとも作者らしい自虐ネタだ。

 話は『かってに改蔵』の3人を中心に回っていくものが多いが、ちょっぴり成長した(?)絶望少女たちの姿からも目が離せない。タレントの「共演NG」を題材にした話では、腐女子キャラの藤吉晴美(ふじよし はるみ)が登場。男同士はもちろんのこと、無機物ですら受けと攻めを妄想して萌えることができる彼女は、その卓越したカップリング能力…もとい、キャスティング能力を買われて、映画などの配役を調整する仕事をしている。なんと素敵な「もしも」の世界だろうか。

 お得意の時事ネタも健在で、単行本の修正で直近の芸能ネタを挟み込んでくる。『改蔵』や『絶望先生』好きの久米田ファンならば、芸風もスターシステムな本作は楽しくて仕方がないはずだ。

文=中川 凌