2つの魔法の言葉で結婚生活もうまくいく!? 夫婦の溝を埋める救済本!

暮らし

公開日:2018/6/11

『男と女の怒らない技術』(嶋津良智/フォレスト出版)

 パートナーと話をしているときに「どうしてこんなにも私の気持ちが伝わらないのだろう…」と憤りたくなってしまった経験は誰にでもあるはずだ。そうしたときにぜひとも活用してほしいのが『男と女の怒らない技術』(嶋津良智/フォレスト出版)である。本書は男女のイライラポイントの違いを分かりやすく解説してくれ、ネガティブな感情をコントロールする術も伝授してくれる。

「夫なんだから分かるだろう」や「妻なんだから分かるだろう」という気持ちは、結婚生活が長くなるにつれて強くなっていく。しかし、どれだけ長く連れ添っても夫婦はもともと違う場所で生まれ育ち、違う意思を持って生きている他人同士だ。さらに、男女の考え方には違いがあるので、相手のことを分かろうとしなければ、心や気持ちはどんどん離れていき、イライラする頻度も増えてしまう。

 こうした状況を打開するにはまず、自分の感情をマネジメントしていくことが大切なのだそう。嶋津氏によれば、誰しもの心のなかには枠があり、「価値観」や「自分なりの常識」、「固定概念」などのマイルールが詰まっているのだという。このマイルールこそが、感情を乱れさせる原因なのだ。

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 例えば、「夫は早く帰宅して一緒に夕食を摂るべき」や「妻は夫の帰宅まで起きて待っているべき」などという考えは、心のなかの枠で決められたマイルールだ。こうしたマイルールが守られていないと、相手に対してネガティブな感情を持ったり、喧嘩が起こってしまったりするが、マイルールはあくまでも自分の願望であり、共通の決め事ではないということに気づく必要がある。パートナーは自分の所有物ではない。自分にも自分なりのマイルールがあるように、パートナーにも独自のマイルールがある。だからこそ、お互いのマイルールを積極的に話し、妥協点を見つけていくことが心の溝を埋める第一歩になっていくのだ。

■帰宅後は2つの魔法の言葉を!

 結婚生活が長くなると、反比例して夫婦間の会話が減っていく。すでに関係が冷え切っていると、どんな言葉を会話のきっかけにすればいいのかも分からなくなってしまうだろう。そんな時は、帰宅後に2つの魔法の言葉を相手に投げかけてみてほしいと嶋津氏は語る。それは「今日、どうだった?」と「何かあった?」というシンプルな問いだ。この言葉は特に、妻とのコミュニケーションがうまくいっていない方におすすめなのだそう。その際はテレビを消し、きちんと話を聞いていることをアピールするのも大切なのだという。

 普段から会話が交わされていないと、妻側も「どうせ夫に話しても無駄だから…」と諦めの気持ちを抱いてしまっていることが多い。そんな悲しい夫婦関係を変えるには、まず会話をする土壌を築いていくことが重要になるのだ。

■8割スルー・2割対話の原則

 人間は各々、違った価値観を持っているため、時にはパートナーに対して違和感や不快感を抱くこともある。しかし、全ての違和感や不快感に反応していると、お互いに疲れ切ってしまう。そこで使えるのが、8割スルー・2割対話の原則だ。

 ふたりの人生観は2つの円のようなもので、円の重なった部分のみがふたりの人生にとって必要なことなのだと嶋津氏は言う。そのため、パートナーとの関係を良くしていくには、人生観の違いに注目するのではなく、重なり合っている部分を見つめ、ふたりの人生にとって必要なことのみ、対話していけばよいのだ。

 例えば、パートナーの食べ方が気に入らなかったときは、それがふたりの人生にとって本当に必要なことなのかを考えてみてほしい。その上でもし、大切であればとことん話し合い、あまり重要でない場合はスルーし、お互いの人格を尊重していくことが大切になる。

 イライラは自分の心ひとつでマネジメントできる。完璧な人間や自分の価値観と100%合う相手はこの世のどこにもいないからこそ、「○○にはこだわらない」と、自分の心にピリオドを打つ余裕を持ってみてほしい。

 男女は些細なことで気持ちがすれ違ってしまうことも多いが、心を繋げる努力はお互いにしていける。パートナーの存在が空気のように“居て当たり前”になっている方こそ、ぜひ本書を手に取り、存在の大切さを再確認し、お互いが心地よく過ごせる居場所を築き直してはいかがだろうか。

文=古川諭香