分かっているけれど止められない…意志が弱くても大丈夫! 悪習慣を断ち切る方法とは…

生き方

2018/7/11

『ぼくたちは習慣で、できている。』(佐々木典士/ワニブックス)

 誰にでも悪習慣のひとつやふたつくらいはある。もっと言えば「これは私の大事なストレス解消法なの」と、勝手に神聖化した悪習慣も含めれば、きっと誰でも持っているはずだ。さらに経年とともに、運動能力を意識しなくなり、体型などの外見管理も緩やかになるため、対策を取らなければ悪習慣は増加し、やがて健康さえ脅かされる。

 こうした悪習慣対策の切り札はなんといっても、良習慣を身に付けること。「でも、意志の問題があるからなー」と、自分の意志の弱さを振りかざし、悪習慣をかたくなに固持してしまうあなたにおススメしたいのが、『ぼくたちは習慣で、できている。』(佐々木典士/ワニブックス)だ。

 著者の佐々木氏は、前著『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 断捨離からミニマリストへ』(ワニブックス)で、ミニマリストという生き方を世に問うた人物。そんな著者に「次は習慣をテーマに本を書こう」と、天啓が降りたのは2016年の1月のこと。つまり本書は、構想から出版(2018年6月)まで、約2年半の歳月を投じた渾身の1冊なのである。

 しかし、実際のところ歳月を要したのは、「毎日原稿を書くことが習慣化されていなかったから」だと、著者は本書で告白しているが(笑)。

 でも、だからこその本書、なのである。本書には、著者が約2年半の歳月をかけて「毎日原稿を書く」他、いくつもの良習慣を身につけた「リアル体験」から得られた、生きたアドバイスが「習慣を身につけるための50のステップ」としてまとめられている。

 では、いくつか紹介しよう。

STEP1 「悪循環を断ち切る」

 著者によれば、「(どうせ自分には成果は出せないなどの)ストレスや自己否定感といったネガティブな感情で意志力は失われる」という。

 意志力が失われれば人は、「将来、スマートな体型になる」より、「今、満腹感を味わいたい」と、目の前の報酬にすぐに飛びつくのである。こうして暴飲暴食や「~依存」など、さまざまな悪習慣を続けてしまい、その行動を卑下することで、ストレスや自己否定感はさらに強まり、意志力も枯渇してしまうのだ。

 ではこうした「自己否定→目の前の報酬→自己否定」という悪循環をいかに断ち切るのか、著者はこう指摘する。

 よくある誤解は、暴飲暴食などの良くない習慣を「ストレス解消のために必須」と思い込んでいること。

 たしかに…。よくわかっている。筆者自身、やめられない悪習慣はすべて、ストレス解消法として、王宮なみに護衛を配備して守っていること。そして、ストレス解消法と言いつつ、結局、その行動が新たなストレスと自己否定を生んでいることも。

 そこで著者はこう指摘する。

 大事なのは、ストレスの本体と、それを解消する行動からさらに受けるストレスを分けること。(中略)作家のグレッチェン・ルービンは対処法を簡潔にこう言っている。
「気分転換のための何かは、自分がさらに嫌いになる何かであってはいけない」

 つまり、そもそもあなたが解消したいストレスとは何なのか? その正体を自分と向き合い、見極める必要があるのだ。それがわかれば、そのストレス解消のためにすべきことが見えてくる。それはきっと、あなたが自動的に行ってしまっている悪習慣とはまったく別の行動のはずなのだ。

STEP2 「まず、やめることを決める」

 本書の中で著者は、自分の習慣をラインナップして、「自分の子どもに習慣にしてほしいか」を問えと記している。もし、「いや、子どもには絶対マネしてほしくない」というものは、さっさと自分の中からも消し去るように心がけていくしかない。

 ということで本書はまず、悪習慣の絶ち方から入る。その後「STEP9 まずは、キーストーンハビット」では、ある要となる習慣を身につけることで、ドミノのようにいい習慣が連鎖することを紹介している。

 例えば、ミニマリストである著者にとっては「片付け」「早起き」が、キーストーンハビットとなり、ヨガや原稿書き習慣などが身についていったという。他にも「身につけたい習慣はハードルを下げ、やめたい習慣はハードルを上げる」、「谷間の試練を乗り越える」などなど、多くの実践的な知恵が満載だ。

 本書には、具体的な知恵だけでなく、「意志とは何か」「習慣とは何か」「習慣からみえてくるもの」など、読み物コーナーにも良習慣を身につけるためのヒントが満ちている。

 自分が持つべく正しいストレス解消法を身につけたい人、「今年こそやるぞ」を「今すぐやる」に変えたい人など、多くの同志たちに、この1冊をオススメしたい。

文=町田光