あなたの選ぶ言葉は時代遅れ!? コピーライターがこっそり教える「即決される文章」

ビジネス

2018/7/19

『女性に「即決」される文章の作り方』(谷本理恵子/ぱる出版)

「ネットやコンビニで24時間365日、欲しい商品がすぐ手に入りモノがあふれている現代で商品を売るのは難しい…」そう悩んでいる方の救世主となってくれるのが『女性に「即決」される文章の作り方』(谷本理恵子/ぱる出版)だ。本書には、売れる文章の専門家である“セールスコピーライター”の発想や実践テクニックがこれでもかというほど詰め込まれており、女性の購買意欲を掻き立てる術を知ることができる。

 そもそも、“女性”の購買意欲を掻き立てることがなぜ重要で、売り上げアップに繋がるのだろうと疑問に思っている方もいるだろう。その理由は主に2つある。まずひとつは、男性よりも女性は主観的な価値や体験を重視するため、説明が不親切だと購入しないのだそう。だからこそ、直感的で移り気な女性にウケる文を作ることができれば、万人にも伝わりやすいのだという。

 そしてもうひとつの理由は、購買決定権に関係がある。デパートの売り場の構成が女性向けであることが端的に示しているように、多くのサービスや商品の購買決定権を握っているのは女性である。そのため、女性の心を掴めば、全体的な売り上げアップが見込めるのだ。では、どうすれば世の女性たちを射止める文章が作れるのかを実際に見ていこう。

■「欲しい理由」を増やして、「買わない理由」を減らそう

「欲しい」と思っていた商品が目の前にあるのに、なぜか購入を踏みとどまってしまった経験は、誰にでもあると思う。「欲しい」と「買おう」は似ているようで、実はまったく違う気持ちであり、その裏に購入に至らなかった深い理由が隠されている。

 例えば、アレルギー表示や添加物の記載がされていなかったり、詳しい説明を聞けるスタッフが近くにいなかったりすると情報不足だと感じ、消費者は購入をあきらめてしまうことが多いのだと谷本氏は指摘している。購入を決断させるためには消費者が納得できるような情報が必要なのだ。

 だが、情報は多ければ多いほどよいというわけではない。情報が多すぎると購入を先延ばしにされてしまうケースもある。なぜなら、消費者は購入したい商品のすべての「機能」を知りたいのではなく、「自分にとってどんなメリットがあるのか」を知りたがっている。あまりにも情報量や選択肢が多いと、自分にぴったりなのか分からなくなり、購入を躊躇してしまうのだという。

 そのため、商品を売るには必要十分な情報だけを厳選して伝えることが大切になってくる。消費者の心の中にある「欲しい商品を買わない理由」は求めている情報を適量与えることで、確実に減らすことができる。そして、欲しい理由を増やすことができれば、「買うしかない」という状態にまで持っていくことも可能になるのだ。

 商品をより多く売りたいときは、つい「万人ウケするキャッチコピー」のような決め文句を見つけたくなるかもしれないが、目の前のお客様が抱く悩みや買わない理由を具体的に考えてみることも売り上げアップに繋がっていくのだ。

■興味のない人を一瞬で惹きつける魔法のフレーズとは?

 すでに欲しいと思っていた商品を買ってもらうよりも、まったく関心を持っていない人を振り向かせることのほうがハードルは高い。しかし、谷本氏はそんな人をも引き寄せる「魔法のフレーズ」を本書内で18個も紹介してくれている。

「今だけ無料プレゼント中!」や「今、売れています!」というキャッチコピーは購買意欲をそそるためによく使われやすい反面、興味を持っていなかった人の心には響きにくい。興味を持たない人の心を掴みやすくするには、お客様の目線に立ちながら具体性のあるフレーズを投げかけなければならないからだ。「なんだか気になる…とりあえず続きを読まなきゃ損しちゃうかも…」と消費者に思わせるような言葉をチョイスしてこそ、売上アップへの道は見えてくるのだ。

 本書内で紹介されている、自分の姿を見つめ直せる「失敗したくないフレーズ集」や好奇心をくすぐられる「秘密を知りたいフレーズ集」、「読者の気持ちを代弁してくれるフレーズ集」には、どれも消費者の興味を惹く仕掛けがたくさん詰まっている。

「人に商品を売りたい」という気持ちが強すぎると、購入する消費者としての気持ちを忘れてしまうこともある。しかし、そんなときこそ、お客様目線に立った売り方を考えることができれば、消費者が何を求めているのかも自然と見えてくるはずだ。ヒット商品を作る文章は、考え方のフレームを変えることで生み出していこう。

文=古川諭香