自分に合った職場を見つけるには? 職場に不満を感じたとき見返すべきこと

ビジネス

2018/7/31

『会社を辞めたいと思ったとき読む本』(門脇竜一/さくら舎)

 どんな人でも働いていれば職場に不満を抱くもの。「上司と合わない」「仕事が向いてない」「地方へ転勤される」など挙げればきりがない。女性なら、「セクハラを受けた」「産休や育休が取りづらい」なども加わる。そんな不満を感じたとき、あなたは転職を考えたことはないだろうか。

 転職や会社を辞める前に少し立ち止まって考えてみよう。『会社を辞めたいと思ったとき読む本』(門脇竜一/さくら舎)は、一部上場の有名企業に入社しながら5回の転職を繰り返し、人事研修コンサルタントとして起業した著者が、自分に合った職場を見つける方法をレクチャーしている。

 職場に不満を感じたとき、転職すべきか、留まるべきか、冷静になって判断しよう。まず現状を整理する要素が3つある。それは「人」「目的」「基本条件」だ。

「人」は、上司や同僚についてだ。尊敬できる人、魅力的な人がいれば勤め続ける理由になるし、逆にこの人と働くのが嫌だとなれば退職理由になる。しかし「嫌いだから」という理由だけで別の会社へ移っても、自分と波長が合う人ばかりとは限らない。どこへ行っても反りが合わない人はいるものだ。

 次の「目的」は、その会社で働く目的について。業界での経験、人脈、技術など、その会社で働くことでしか得られないキャリアやスキルがあれば、それらを習得するまで辞めるのは我慢するべきかもしれない。また再就職先で得られるものが明確に定まっていないなら、転職しても長続きしないかもしれない。

 最後の「基本条件」は勤務内容や給料などの雇用条件だ。転職してもやりたい仕事と違った、思ったほど休みが取れないなどの可能性もありうる。扶養家族がいる人は給料や賞与が下がるのも問題だ。社宅に住んでいれば引っ越さなければならないし、勤務地が変われば生活も変わるだろう。

 不満の程度によっては、会社を辞めなくても解決する。例えば、いまの上司や仕事内容が不満なら、人事に異動を願い出て違う部署に移ってはどうだろうか。社内異動なら労働条件も変わらず、キャリアも途切れず昇給・出世に響かないから転職よりも現実的だと勧める。

 転職はギャンブルのようなもの。転職した会社が理想通りならよいが、そんな夢のような職場はなかなかない。一時の感情に流されて会社を辞めるとお金や生活の問題で後悔するかもしれない。転職にロマンを求めず、現実を見据えるようにと訴えるのは、著者本人の実体験が込められている。

 著者も会社を辞める前に十分な準備と熟慮を重ねて転職したが、入社して初めて非常識な企業体質や中途採用者への風当たりの強さなど、社外からでは見えなかった問題に気づいた。

 一方、自分では不満だった職歴が再就職先で評価されることもあった。自分では向いていないと思っている仕事も、勤め続ければ将来の糧になるのだ。

 転職は必ずしも現状の解決策にはならない。逆に会社の将来性が見えないのに惰性で働いている人もいるだろう。転職にも、慰留にも、どちらにもメリットとデメリットはある。それを見極めることが自分らしい働き方を見つけることにつながる。

 最終的になにを優先するかは個人の問題だが、あなたも本書をきっかけに自分の人生を考え直してはいかがだろうか。

文=愛咲優詩