伸び悩みを感じたら「マーケティング」に頼ってみれば? 30代から絶対に必要なスキル

ビジネス

2018/8/14

『使えないとアウト! 30代からはマーケティングで稼ぎなさい』(蛭川速/明日香出版社)

「最近仕事の調子が良くないんだよ…」酒を飲みながらそんなことを言う友人は30半ば。今までは悪くない営業成績で、人が羨むような給料を手にしてきた男だ。「今さらだけど勉強しようかと思うんだ。お前読書家だし、何か役に立ちそうな本があったら教えてくれよ」。

 新卒で営業になり、バリバリの叩き上げでやってきた彼だが、先輩たちからの教えと、自分の感覚だけでは限界だと感じているようだ。謙虚に、初心に戻ってがんばろうとしている友人に、ライターの私がすすめたのがこの書籍である。『使えないとアウト! 30代からはマーケティングで稼ぎなさい』(蛭川速/明日香出版社)はマーケティングの基本的な知識と、それを実際の仕事で使いこなすための思考法や、必要な情報収集・分析のスキルを解説している。

■マーケティングの基本は、想像+創造すること

 本書はタイトルにこそ「30代からは~」とあるものの、内容はマーケティングの基本をまだ知らない20代のビジネスパーソン、そして経験を積んできた40代、50代のベテランにも幅広くおすすめできる1冊だ。従来の方法では業績が伸びなくなってきたら、誰でも、すぐにでもマーケティング理論に立ち返るべきだからである。なぜそれが必要なのか。本書によればマーケティングとは、

お客様に納得して購入していただき、購入後も長期間にわたって満足していただける関係をつくり上げる活動

こう定義される。そのなかで重要な視点が下の2つだ。

ニーズ(needs):お客様に商品やサービスの必要性を感じてもらうこと
ウォンツ(wants):お客様に商品やサービスを選んでいただくこと

このニーズとウォンツは、似ているようでいて、簡単に繋がっているわけではない。たとえば、

●移動のためのクルマが欲しい=ニーズ
●燃費がいい、だからハイブリッドカーが欲しい=ウォンツ

この「燃費がいい、だから…」と考えるワンクッションが重要なポイント。これがお客様が選ぶ“理由”だからだ。この理由づけをお客様目線で想像し、価値を創造したり付加したりすることが必要となるからこそ、事業や仕事が行き詰まったときに、マーケティング視点に立ちかえることが大切なのだ。

■考えて、情報を集めて、それを活用するマーケティングのステップ

 マーケティング実務について、本書では大きく3つのステップに分けて紹介している。

1:思考する
 マーケティングを仕事で実践するための5つの思考法が書かれている。再現可能な法則を見つける論理的思考、商品やサービスを作り出す水平思考、仮説思考、ゼロベース思考、そして今までにない事態に直面した時に活路を見出す分解思考だ。

2:情報を集める
 重要な観点は3つ。顧客(性別や年齢、購買・使用状況、そしてニーズ)、競合企業、自社の強みと弱みの把握。インターネットでビッグデータを収集・分析する方法も紹介されている。

3:実践で活用する
 過去と現在の状況を理解し、担当領域の変化を予測する(=現状把握)。次に顧客を分類(=セグメンテーション)し、自社の顧客を絞り込む(=ターゲティング)。こうして選んだ顧客の立場になって考えることで、ニーズを創造するのだ。自社商品・サービスをどう伝えるかを考えるのは最後だ。

■マーケティングスキルは全ての年代、全ての職種にとって有用

 本書は、職種にかかわらず全ての社会人にとっておすすめだ。本書では、マーケティングを以下のように捉えている。

マーケティングは企業や組織に属する全ての人が理解し活用すべき考え方、スキル。

マーケティングは商品やサービスの価値を高め、適切に伝達することで、企業の売上利益を上げる活動。

商品やサービスの価値を高めるのは商品の開発だけではなく、仕入先と話す担当やお客様からクレームを受けることがある総務職でも価値は高められる。

 自分の扱う商品やサービスの価値を高める、あるいはあなた自身の仕事を高めるチャンスは、あなたの日常業務の中に転がっているのである。

文=古林恭