自分の老後は自分で守る時代。でも「何をすればいいの?」と不安な人はコレをチェック!
2018/8/29
「夢のリタイア生活」を誰もが望むことができたのは、社会・経済が安定していた頃の話。人生100年時代と言われる今や、日本の財政は大赤字。年金が減って、医療費は上がり、老人ホームは入居希望者だらけで介護問題も…と、将来の社会保障は不安が募るばかりだ。
そんな現状を見聞きしながら、自分の将来に置き換えるのが怖くて目をつぶっている人は少なくないだろう。漠然とした不安を抱える人におすすめしたいのが、『52歳からのお金のリアル』(泉 正人/プレジデント社)だ。本書は、老後には7つのリスクがあり、それらを知り学ぶことで、起こり得るリスクに先回りして対処することができ、その準備は52歳から始めれば十分間に合う、と提案する。
本書は、自分の周りにいそうな52歳の暮らしとそこに潜むリスクについて、5人のモデルケースが提示されており、自分に置き換えた想像もしやすい。「年金のリスク」「介護のリスク」「住まいのリスク」など項目ごとに回避するための処方箋(クスリ)を紹介している。定年後のリスクを理解すること、その上で行動することが、将来の安心を大きく左右するようだ。
■定年後は公的年金だけを当てにしない。ではどうすればいい?
年金受給額が減っていること、受給開始年齢が遅くなる議論が出ていることなど、公的年金だけを当てにする生活設計にはリスクがありそうだ。しかし、定年前の50代のうちから準備すればそのリスクにも対処できるという。その例として挙げられているのが“お金に稼いでもらう方法”、つまり、資産運用による不労収入だ。
手持ちの資金から運用で得られる不労収入をシミュレーションし、生活コストとして必要な金額との差額を出し、その不足分を労働収入で補うステップを挙げている。
【退職時点の貯金額別にみた不労収入のシミュレーション】
・貯蓄額500万円の場合:年利1%で運用→運用益は年5万円
・貯蓄額2000万円の場合:年利2%で運用→運用益は年40万円
・貯蓄額5000万円の場合:年利3%で運用→運用益は年150万円
上記では貯蓄額がマネーリテラシーのレベルに反映されると想定しているので、運用利回りに差がついている。定年前に知識をつけておけば、より余裕ある老後にもつながりそうだ。
■いつか訪れる「親の介護」にもリスクがある?
ある日突然家族が倒れた時に、慌てず最善策をとる自信はあるだろうか。例えば、多くの人が惑わされやすいのが、「介護にかかる支出を比較した時に、在宅介護が安く見えてしまう」点だそうだ。施設費は高いので在宅のほうが家計を圧迫しないだろうと感じやすい。しかし、介護に費やす時間や、離職・転職する場合の収入源など、「見えないロス」を考えて検討すべきであり、本書ではそのチェックポイントと決めるべきステップを示している。
もし、親の介護のために私たちの老後が破たんしてしまったら、その老後はまた自分の子どもに頼ることになりかねず、介護破たんの負の連鎖を招きかねない。公的な補助制度などについても知っておくこと、親の意思を確認しておくことなど、突然「その時」がきても慌てないように計画しておく必要があるだろう。
■定年後の不安を解消するには?
人生設計の中で、「家族が実現したい暮らし」を書き出して「見える化」することも、本書はすすめている。「55歳、定年後の働き方を考え、行政書士の資格を取得するための勉強をスタート。予算は15万円。通信講座で費用を抑える」「70歳、妻の夢であるオーロラを見に行く旅を実現。予算100万円」という具合に。これを5年に一度は見直すことで、社会や家庭内での「想定外リスク」にも対応できるという。目的意識を高めることにもつながりそうだ。
ニュースで年金問題や医療費問題の知識を得ても、自分ゴトに置き換えてみないと不安は募るばかりだ。本書は、複雑に絡み合うリスクを項目別に整理して考えることで、現実的なプランを組み立てることを提案してくれる。定年後の生活に漠然とした不安を感じる人は、ぜひ一読してほしい。本書を通じて不安は、ひとつひとつ対策できることが分かるだろう。
本書のテーマを詳しく紹介してくれる無料講座も開講されているので、自分や家族の今後の生活をポジティブなものに変えていきたいと考える人は、まず第一歩を踏み出してはいかがだろうか。(定年後設計スクール《無料体験学習会》申込ページは【こちら】)
文=吉田有希
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