非常時用の飲料水は何リットル必要? 災害頻発時代の防災マニュアル!

暮らし

更新日:2020/9/1

『さまざまな状況に対応! 災害頻発時代の防災マニュアル』(災害からいのちと日常を守る情報委員会/辰巳出版)

 豪雨、洪水、猛暑、地震、台風、そしてまた地震…。今年の夏は本当に酷かった。度重なる災害に見舞われた日本列島。「災害頻発時代」という言葉まで登場し、防災について考え直す人も増えてきているようだ。

 地理的要因により自然災害がかなり多い日本。そこに暮らす私たちの防災意識は、世界的に見ても高い水準にあると言えよう。しかし、いや、だからこそと言っても良いのかもしれない。普段から慣れている災害が「想定外」の規模となって牙を剝いたときに、被害は一気に拡大する傾向にあるようだ。

 不測の事態に備え、

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・災害に「どう備える?」=BEFORE
・災害の「その時、どうする?」=NOW
・災害のあと「どう過ごす?」=AFTER

という3つの視点で防災知識を準備することは大切だと言われている。

『さまざまな状況に対応! 災害頻発時代の防災マニュアル』(災害からいのちと日常を守る情報委員会/辰巳出版)という書籍は、上の3つのシチュエーションごとに、地震、台風、猛暑、豪雨、噴火、洪水などの災害から「いのちと日常」を守る術を紹介している。

■地震で屋内に閉じ込められたとき——NOW

 大地震に遭ったとき、倒壊した家屋の中に閉じ込められる。もしくは、家屋は倒壊していなくても倒れてきた家具の下敷きになって動けなくなる可能性は十分に考えられる。

 ある程度は自由に動く余地があり、携帯電話や災害用ホイッスルなどが使えるのであればすぐに外部に自分の存在を伝えることはできる。だがそうではない場合、大声を出して外部に助けを求めるのはNG行動なのだという。

 むやみに大声を出して助けを求めると、体力を消耗してしまい精神的にもマイナスに作用する可能性があるからだ。それだけでなく、粉塵で喉を傷めてしまい、いざ救助がきたときに声を出せない状況にも陥ってしまうかもしれない。

 本書が推奨するのは、手が届く範囲にある硬い物で周りの壁や配管などを叩いて音を出す方法だ。そして、救援がきたときに声を出して応答するのが望ましいようだ。

■水は何リットル用意すべき? ——BEFORE

 在宅避難用の飲料水を確保するために、水は普段から少し多めに買い置きして、なくなる前に買い足していくのが望ましいのだという。また、ウォーターサーバーは容量も多く備蓄向きだが、自宅以外への非難が必要になったときのためにもペットボトルの用意は必要であるようだ。

 在宅避難を想定した日常備蓄として、最低限1人につき1日2~3リットル×3日分を家族の人数分+ペット分用意すべきだと本書は説く。そして高齢者や新生児がいる家庭はさらに配慮が必要だという。

 また、在宅避難時のトイレや洗濯用の生活用水は、普段から浴槽に水を張ったままにして入浴前に抜くというサイクルで確保しておくのが望ましい。

 防災の知識に漏れがあってはならないが、情報量が多過ぎてもうまく行動できなくなってしまう可能性が高い。本書には、厳選された防災にまつわる35の情報がシーン別に収録されている。必要な知識を簡潔にまとめたハンディサイズの本書は軽く、かさばらないため、防災袋にも常備できる優れものだ。

文=K(稲)