30代からのキレイは…“食べて”作る! 背中のお肉、ぽっこりお腹、お肌トラブルも解決!

健康・美容

公開日:2018/9/17

『30代からの食べて美肌になるダイエット』(木下あおい/清流出版)

「30代になってからお腹がぽっこりし始めた」「食べている量は変わらないのに太るようになってきた」「肉が垂れているのを感じるようになった」……これらは30代以降の女性からあげられることの多い悩みの一例です。あなたも同じような悩みを抱えていないでしょうか。

 こうした自分の状態を許せず「やっぱり年をとったからだ」と、中にはストイックに運動を始めたりカロリー計算中心の食事制限を始めたりする人もいるかもしれません。たしかにそうした方法でも一定の効果を出すことはできますが、長く続けられる人は多くないでしょう。30代以降の女性が無理せずに、楽しく続けられるダイエットの考え方として参考になるのは『30代からの食べて美肌になるダイエット』(木下あおい/清流出版)です。

太ってしまう原因は人によって様々ですが、確実に言えることは「食事を意識していけば、太らない自分でいられる」ということ

「たとえ体重が落ちても、心が満たされないのはつらい」「だからこそ、きちんと食べることが大切」と訴える著者は、管理栄養士とインナービューティープランナーの肩書きを持っています。管理栄養士というと、病院や保育園などでカロリーや栄養を考えたロジカルな献立を作る人というイメージがあるかもしれませんが、著者が普通の栄養士と違うのは健康で美しい体づくりには腸内環境を整えることが大切だとしている点でしょう。

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 30歳を超えると免疫力はどんどん低下していき、40代になると免疫力はピーク時の半分程度まで下がってしまうそうです。免疫力とは外敵からの抵抗力と言い換えることができます。風邪を引きやすくなった、体がだるい、理由のないイライラを感じるといった不調は免疫力の低下が原因の一つかもしれません。本書では「その低下に歯止めをかけることができるのが、毎日の食事」だとして、食事の考え方や自炊の重要性、そして食材の選び方について詳しく説明されています。

 この本の中で個人的に深く共感したのは次の一節です。

食を大切にすることは、自分を大切にすること、人生を大切にすること。

 一般的にダイエットには、運動、食事、睡眠の3つが大切だといわれています。ダイエットにはなんとなく「つらいもの」というイメージがつきまとっています。それは普段の行動にプラスして運動をする、普段の食事からダイエットによくない甘いものや食材をマイナスするなど、普段とは違うことをしなければならないものだと考えているからでしょう。

 栄養面だけで考えれば、栄養はサプリで摂るということもあり得るかもしれません。食べるだけなら、どんな皿に盛りつけても食べられるかもしれません。しかし、それでは単なる作業になってしまうので楽しくありません。楽しくないことは、栄養吸収の面でもよくないでしょう。この本を読むと本当のダイエットとは「なりたい自分になる」ためにそうした行動様式を「当たり前」のものにしていくことなのだと感じます。

 美容や健康に関心のある人なら、ストレスがよくないことは百も承知でしょう。しかし、ストレスなんてみんな感じていることだから、と甘く考えている人も意外と多いのではないでしょうか。痩せられない原因の多くは「食べすぎ」や「甘いものがやめられない」ことだといわれています。なぜ分かっているのにやめられないのか。原因はストレスだそうです。

 ストレスをため込まないために、現代女性は自分の体にもう少し自覚的である必要があるのかもしれません。運動や食事は体によいから行う義務的な「作業」ではなく、自分の体の状態を知るためのものと考える。そうすれば、体重計などの目に見えるものに頼らず自分の体や心の変化に自分で気が付けるようになるでしょう。

 自分を大切にすることができれば周囲の人を笑顔にすることもできる、という肩肘張らない本書のメッセージは、頑張りすぎてしまう30代以上の女性たちにとって、しなやかに生きるためのヒントとなるのではないでしょうか。

文=いづつえり