考えるのが苦手な人にも「思考レッスン」が効く理由

ビジネス

2018/9/23

論理的思考レッスン
『論理的思考レッスン』(北村良子/マガジンハウス)

 皆さん、「考える」ことは得意ですか? それとも苦手ですか? なんとなく苦手だとか、面倒だと感じる方も多いようです。でも、「考える」って、実はとても楽しいのです。かの有名な哲学者ニーチェも「思考実験」にどっぷりとはまっていたそうです。

「論理的思考」とは筋が通った思考のこと。問題から解決までのルートが、しっかりと順を追ってわかりやすく展開される方法です。物事を深く論理的に考えるために必要なのは、何も特殊な才能ではありません。小学校の頃にやった計算ドリルのような感覚で思考実験を繰り返すことで、「論理的思考力」は身につくのです。本稿ではそんなレッスンを目的とした書籍、『論理的思考レッスン』(北村良子/マガジンハウス)をご紹介したいと思います。

■会社員、主婦、就活生…みんなが活かせる論理的思考術

 思考実験の特徴の1つは、正解があるものもあれば、ないものもあるという点です。つまり、「正解がなくてはならない」という前提がないのです。人生や日常生活にはしばしば、正解がわからない、そして解決したつもりでもそれが正解であったかどうかわからないような複雑な問題がたくさん転がっていますよね。

 そこで大切なのは、自分の考えを確立できるかどうか、自分なりの答えを見つけ出せるかどうか、というポイントです。これを前提にして思考実験を繰り返すうちに思考力が養われると、ビジネスシーンでも、日常生活を豊かにする上でも、選択肢を広げ、ありとあらゆる場面であなたの心強い武器になってくれるはずです。

■「考える」行為へ自然と導いてくれる本書のつくり

 本書は「考える」ための問題集で、どこから読み始めても解いていけるような構成になっています。主な内容は「思考実験」と「思考レッスン」とに分かれています。

「思考実験」では、例えば「ファミレスでおかわり自由なサラダバーを注文した友達が残したサラダを、サラダバーを頼んでいない自分が食べてあげても良いのか?」というようなかなり具体的な「問題」を一緒に考えていくものです。そこではあなたの導き出した答えが正解かどうかというよりも、あなたがその答えにたどり着くまでにどのような思考をしたのかということがより重要になってきます。

「思考レッスン」では3段階の難易度が割り当てられていて、自分のレベルにあった練習問題を選んで解くことができます。これがまた実におもしろく、抜け出せなくなってしまうのです。数学的・論理的な考え方も使って解く問題で、レベルが上がるにつれ、発想の柔軟さや論理的思考力の強さも問われます。就職活動などにおいて総合テストを受けたことがある方なら、このテストは想像しやすいかもしれません。

■思考力が仕事でも生活でも役立つのには、理由がある

 させられる勉強は楽しくないけど、自分からする勉強は楽しい。それは間違いないと思います。本書の問題を楽しく解いているうちに、あなたはきっと、「あ、この解き方って、中学の時に習った数学が使えそう!」「趣味で小説を頻繁に読んでいたおかげでこの発想ができた!」など、自分の積み重ねてきたありとあらゆる「考え方」がどれもリンクしていることに気づくのではないでしょうか。

 本書が説く論理的思考をともなう思考実験のミソは、まさにそこにあると私は思います。いままであなたが知らないうちに身につけてきた考える力が、本書の問題を解くうえでも役立つのです。そして同様に、本書を通して身につけた思考力は、きっとこの先のあなたの人生の問題解決に役立つはずです。

文=K(稲)