無気力社員をうまく動かす! たった15分でやる気を引き出す面談

ビジネス

2018/9/26

短期間でやる気を引き出す! 個人面談
『短期間でやる気を引き出す! 個人面談』(高木鉄平/つた書房)

 企業の人事評価から教育の現場まで、生活のあらゆる場面で「面談」がないところはないだろう。しかし、肝心な「面談する目的」の理解が不充分だと、充分な結果に結びつけられていないケースも多い。面談の目的とは、ズバリ「相手の行動を変える」ことにあるという。では、正しい面談とは具体的にどう行えばよいのだろうか。高まるニーズに応え、相手の行動を変えて良い結果を出すことにこだわったのが『短期間でやる気を引き出す! 個人面談』(高木鉄平/つた書房)だ。業務の流れに沿って独自のメソッドがわかりやすく紹介されているので、読んだ日からすぐに効果的な面談が実施できそうだ。

■メソッドの内容と、カギとなる“マンダラシート”とは?

 面談のメソッドはとても簡潔だ。使用するのはシンプルなシート(詳細は後述する)のみ。面談時間は1回につき15分。これを2週間から3週間おきに、計5回実施する。その5回の面談は、オリエンテーション、改善案の案出し、改善企画の案出し、企画書の作成、振り返りの順で進んでいく。

 このメソッドのメリットはいくつもある。まず1回の面談時間が短いので、上司も部下も構えずに取り組める。シートに残すことで部下本人が深く考えることができ、周囲にも本人の頑張りや考えていることが伝わりやすくなる。さらに、継続的に実施することで解決策がより的確なものになる、などだ。

 使用する“マンダラシート”は、A4用紙に「〇×ゲーム」の枠のような3マス×3マスの9マスを描いたものがベース。1回の面談につき1テーマでマスを埋めていく。シートの作成時間は1回につき2分間なので手軽だ。

 シートの運用について詳しくは本書を見てもらいたいが、面談においてもっとも大切なことは「答えは本人に出させる」という点だ。たとえ善意からであっても、部下を誘導してしまうと「結局上司の思い通りに動いて欲しいのかな」と、部下の信用を損ねる危険がある。自力で答えにたどり着いたときこそ、人間はより成長する。部下が自分で解決できるよう、焦らず積み重ねを大事にしよう。

■面談時に上司が心構えすべき5カ条

 面談の効果を上げるには上司側の意識が非常に重要だ。以下の点を意識してみよう。

(1)今の部下に稼いでもらうと決める
(2)部下の長所を伸ばすと決める
(3)やる気を引き出すのではなく行動を引き出すと決める
(4)自分の弱さをさらす
(5)自らゴールをきめてもらう

 上司が部下をどう思っているかは、相手に必ず伝わる。「もっと別の優秀な部下がいれば良かったのに」ではなく、今のチームやメンバーで最高のパフォーマンスを出すことを決意すれば、その期待も部下に伝わるだろう。時には自らの弱点を打ち明けて、親近感を持ってもらうのもコツだそう。

■目標達成するまでのステップはどう設定すればいい?

 面談で設定する目標達成には、以下の7ステップを意識するとスムーズだ。

(1)上司と部下との信頼関係を作る
(2)動機をより明確にする
(3)悪いパターンをやめて良いパターンに入る
(4)問題を細かくして実行しやすくする
(5)やりがいのある別の方法を見つける
(6)何度もやって習慣化させる
(7)最適な環境なのかを確認する

 信頼関係の基本は、徹底して部下のことを知ろうとする姿勢にある。自分が話すだけでなく、相手の話に耳を傾けよう。本人が働く動機も把握できるので、モチベーションをアップする後押しをより的確に行えるようになる。

 作業の進捗が行き詰っているときは、本人が置かれている環境に問題がないか一言掛けてみよう。「自分が裁かれているわけじゃない」という安心感を得られるので、さらに継続して積極的な行動に移ることができるようになる。

 面談のスキルはプライベートでも有効に活かせる。例えば家庭での会話にうまく活かせれば、家族間の会話も深まり、他者の話を聞くことで相対的に自分自身の理解へもつながる。家族で共有したい人生設計についても、具体的なプランを描くことができるだろう。まずは15分、気軽に始めてみてはどうだろうか。

文=桜倉麻子