更年期でもセックスレスにならない「間取り」って? 一級建築士とカウンセラーが“夫婦のセックス”を徹底指南

恋愛・結婚

更新日:2020/8/4

『セックスレスにならない暮らし 50年後も愛し合える夫婦の習慣』

 セックスレスを「間取り」から考えるという画期的な1冊、一級建築士の船渡亮さんとセックスレス専門カウンセラー三上かすみさんの共著『セックスレスにならない間取り 子供がいても夫婦円満の仕組み』(株式会社かえるけんちく)が好評につき続編が登場した。

 続く『セックスレスにならない暮らし 50年後も愛し合える夫婦の習慣』は、夫婦や男女関係についての基礎知識や、夫婦で営みやすい間取りについて実例を交えながら紹介した前作に比べ、夫婦の営みが“より気持ちよくなる”方法や、実際に現在住んでいる家でできる工夫など、かなり踏み込んだ内容になっている。

 また、前作では30代から40代までの20年における結婚生活のシミュレーションが書かれていたが、本書では、50代から80代までの30年間が対象。男女ともにおこる更年期障害や、高齢者の営みについても、様々な視点から考察する。末長くともに過ごすパートナーと良好な関係性を築くための一冊だ。

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 本書の最大の特徴となる「間取り」も、前作からさらにアップデート。これから家を建てる、もしくは購入する予定の人に向けた指南書であったところから、今回は、現在住んでいる家でどのような工夫をすれば「夫婦の営み」を楽しみやすくできるか、という点についてかなり実践的な内容が語られる。

 たとえば、音漏れ。

 換気のために扉のすき間や換気口があることで、それがセックスの音漏れにつながっている可能性がある。ずっと閉じてしまうと換気ができないので、扉の下にバスタオルを詰めたり、換気口に消音材を設置する、など、営みの間だけできる対処法も紹介される。

 家の中だけではなく、隣の家への音漏れが気になることもある。その場合は、賃貸などでも利用できる「ワンタッチ防音壁」を利用した部屋の作り方が掲載されている。防音壁の見た目を改善するために、本棚などでカバーする、といった配慮まで考えられている徹底っぷりだ。

 また、セックスレス専門カウンセラー三上かすみさんによる「セックスレス解消の指南」では、夫婦間の普段のコミュニケーションから始まり、女性の身体のメカニズム、どうやったらイキやすい身体になるのか(そもそも“イく”とはなんなのか?)、など、より気持ちのいいセックスを行うための様々な手法が語られる。かなり具体的に説明がされているので、女性自身が自分の身体を知ることはもちろん、パートナーと一緒に読むことでよりお互いの理解は深まるかもしれない。

 本書が魅力的な点として、男性と女性による共著なので、それぞれの視点に偏らずセックスについて知ることができるところがあげられる。女性と男性それぞれが喜ぶ愛撫法が掲載されているが、感じ方や性癖などは人それぞれなので、「ここは確かに私もそうかも」や「俺はちょっと違うかな」などと確認作業に使うのもいい。

船渡 ところで挿入後に1分くらいは、動かずに入れたままにした方が良いとあるAV男優が言っていました。形を慣れさせる意味もあると思うのですが、これは生交通と関係あるのでしょうか? あるとしたら、膣の奥の痛みになりますか?

三上 あー、分かります。挿入してすぐピストンされると違和感があります。なんというか…。ペニスのカリの部分で膣をえぐられる感じがして痛いです。(後略)

上記のような2人の赤裸々なトークが見られるのも面白い。

 「間取り」はもちろん、身体のメカニズムから、普段のコミュニケーションまで、様々な夫婦の形を見てきたからこそ語れる二人のメソッドが詰まった一冊。前作を読んだときに「セックスレス解決の指南書はこれで十分じゃないか」と思ったが、まさかの予想をはるかに超えた充実度で、さらにパートナーとのセックスが楽しみになった。

 最近ご無沙汰だなあ、という人は、ぜひパートナーと一緒に読んでみることをオススメする。