ドライヤーでお灸ができる!? 手軽に誰でもできる“冷え撃退法”

健康・美容

公開日:2018/10/15

『キレイが目覚めるドライヤーお灸』(川嶋 朗/現代書林)

 過ごしやすい季節になったかと思ったら、台風に次ぐ台風、安定しない天気と気温。みなさん、変わりやすい環境に負けず、元気に過ごしていますか?

「風邪が治りにくい」「深く眠れない」「疲れていて、どんなに寝ても体調が崩れたまま」、季節の変わり目で崩した体調が、そのまま戻らない人もいるかもしれません。でもその体の不調、もしかしたら「冷え」が原因なのかもしれません。

『キレイが目覚めるドライヤーお灸』(川嶋 朗/現代書林)は、私たちの健康の妨げとなる「冷え」について、その影響と対策を紹介した1冊です。

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「冷え」は、単に外気温が低くなることで起こるのではありません。東洋医学では、「冷え」という現象は、単に体温が低い状態ではなく、体全体のバランスが崩れている状態を指します。あらゆる病気を引き起こす前兆、すなわち「未病」ととらえることもあります。逆に言うと放置すると、いずれもっと大きな体のトラブルがやってくる可能性が考えられるということです。東洋医学では、そうなる前に乱れたバランスを整えるため、漢方薬、指圧、鍼灸などが用いられてきました。

「お灸」は、2000年以上も歴史がある民間療法で「もぐさ」と呼ばれるヨモギの葉の産毛を体のツボに当たる箇所に乗せて燃やすのが一般的です。しかし、ツボの位置は個人差があります。その上体調や日によってツボが少しずれることもあり、初心者が手軽に始めるのはちょっとハードルが高いかもしれません。

 そんな「お灸」を誰でも手軽に行えるように本書で考案されたのが「ドライヤーお灸」。気になる悩みに対応するツボに、もぐさではなく、ドライヤーの温風を当てるだけで、本物のお灸に近い効果を得ることができます。的確な位置を探るのが難しいツボも、ドライヤーなら、広い箇所に温風が当たるので、失敗することがありません。

 冷えの予防が期待される主要のツボは、「足三里」「三陰交」「百会」「湧泉」の4カ所。どこ? と思った人は、さっそくドライヤーを持って温めてみましょう。

「三陰交(さんいんこう)」は、足首のツボです。くるぶしの内側のつきだした骨から指の幅3本分ほど上にすねの骨があります。その後ろの少しくぼんだ場所を試しに押してみると、鈍い痛みを感じるでしょう。ここにドライヤーお灸を当てると、体全体を温める事ができる上、体力の回復、女性の月経、更年期などの不調にも効果があると言われています。生理のたびに下腹部が痛くなる人は、近くにある中封(ちゅうほう)という内くるぶしのくぼみを温めてみるとさらに効果が期待できます。

「指で数回気になる箇所を押してから熱を与えると、より効果が高まる」とのことですので、慣れてきたら挑戦してみるのもいいでしょう。

 本書では、冷えを予防するツボだけでなく、それぞれ体の不調に対応したツボも紹介されています。血行不良や運動不足が原因の「肩こり」に悩まされている人は、ドライヤーで首から肩を全体的に温めてみましょう。熱さを感じた箇所は、痛みをかばうことでコリが生じている所なのでより念入りに温めてみてください。

 これから季節が冬に向かい、ますます体が冷えていく時期に突入していきます。本書で紹介されたセルフケアで、「冷えない」「冷やさない」体質を目指していきましょう。

文=音田アユム