お金の使い方で人生に大きな影響が! お金に強い人になるために必要なこととは?

暮らし

2018/10/22

『貯金0でも「お金に強い女」になれる本』(笠井裕予・北端康良/経済界)

「お母さんとソックリ」「お父さん譲り」などという言葉がある。子どもに引き継がれたのであろう、いいところやダメなところ。だが、親世代から譲られるものは、どうやら性格や生活姿勢だけではないらしい。ズバリ“お金との付き合い方”も含まれている。果たしてその意識がある人はどのくらいいるだろう。

『貯金0でも「お金に強い女」になれる本』(笠井裕予・北端康良/経済界)はファイナンシャルプランナーと才能開発の専門家の共著により書かれた本である。よく「人生観」という言葉を聞くが、そのなかでも読者の「お金観」を問うことから始まる。「お金観」=“お金のビリーフ”が存在するそうだ。ビリーフとは信条、確信などと訳される。親世代からお金をどう与えられたかによって、人それぞれの“お金のビリーフ”が形成されるという。

 例を挙げると、親から童話集や図鑑は買ってもらえたが、キャラクターのお菓子やおもちゃは、買ってもらえなかったという子どもの頃の思い出。“役立つものは買ってもいいが娯楽にはお金を使わない”というビリーフを学び、大きくなってからも自分の楽しみのために使う際、罪悪感に近いような必要以上の“ためらい”を感じてしまうことがあるそうだ。

 また、別の例では兄妹間で親の可愛がり方に差があり、欲しいものを与えられるのは下の子、我慢するのはいつも長子だったという場合にも“可愛くない私はお金をもらえなくても仕方ない”というビリーフが生じるという。本書ではビリーフを築く事例がたくさん出てくるので、思いがけず自分と同じビリーフと出会うことがあるかもしれない。

 恐ろしいのは大人になっても、上記のような“歪んだビリーフ”に無自覚な支配をされたままになっていることだ。自分でも知らぬ間にお金のビリーフに縛られているとしたら? お金に対する考え方のクセを改めない限り「お金に弱い人」のスパイラルから抜け出すことができない。いや、言い方を変えよう。ポジティブに逆説を捉えるなら、お金のビリーフを改めさえすれば「お金に強い人」のスパイラルを作り出すことができるはず。

 本書には「お金に強い人」へ生まれ変わるための5つのステップが用意されており、途中には自分とお金のビリーフとの関係を顧みるワークもある。客観的に自己の「お金観」と向き合うことができるのだ。自分のビリーフを知り、「お金に弱い人」のビリーフを修正することで、お金に強い人へと意識をアップデートできる1冊となっている。

 さて、お金に強い人とはどんな人なのだろう。時間の使い方について著者は指摘する。

お金に強い人は、自分が何に時間を使うと幸せな気持ちになるのかを、よく理解しています。そのうえで、人生という限られた時間を、できるだけたくさんの幸せに変えるためにお金を使います。(略)お金に強い人は、お金が「時間の質を上げるための道具」であることに気付いています。

 長年染みついた“お金のビリーフ”を書き換えるためには、時間との関わり方を考えることも重要なことがわかる。自分がしている行動で、無意識な習慣やある作業についての“しなければならない”という思い込みはないだろうか。そう、時間にすらビリーフがあることに気付く。その時間の使い方は今の自分の幸福度に合っているものなのか、大いに考えさせられる。

 さらに本書は、実際の収支モデルでのお金の整理整頓や、働き方の改革、自分の価値と才能の活用まで「お金に強い人」になるための秘訣でいっぱいだ。提案されているワークをしながら読み進めていくと、「お金に強い人」とは“自分軸”で物事を考えられる人であることが、条件として外せないとわかってくる。

 精神的にも経済的にも豊かな人生を歩むために、今一度、本書で自分と向き合ってみるのはいかがだろうか。

文=小林みさえ