眠るまでに時間がかかる、肌や髪に自信がない…40代からの体との向き合い方

健康・美容

公開日:2018/10/28

『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)

 40代以上の“オトナ女子”に質問します。近頃、こんなことを感じていませんか? 以前よりも疲れの回復が遅い、睡眠に入るまでに時間がかかる、髪や肌のコンディションに自信がなくなってきた…自分の体について、何かしらの変化を感じている人も多いのではないでしょうか。

『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)は家庭医・医学博士である著者が、30代あたりから徐々に訪れる女性特有の「更年期・加齢期のトラブル解決」のために、40代から70代にいたるまで、知っておきたい病気の解説、心身のケアやチェックポイントを、年代ごとに“処方箋”として授ける1冊です。

 さっそく「40代への処方箋」の項目を見てみましょう。

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1.更年期対策と自分に合った治療の選び方
2.更年期と間違えやすい甲状腺の病気
3.年に一度は子宮筋腫のチェックを
4.年齢にふさわしい肌対応をしていますか?肝斑なら薬で改善できます
5.40代のうちに気の合うホームドクターを見つけよう

 40代では「あばれるカラダをソフトランディングさせよう」を目標に、更年期への具体的な対策や、治療法に関しては、薬の服用による効果も副作用の留意点も詳しく書いてあります。また、甲状腺のさまざまなトラブルや子宮筋腫についても、本書に書いてある症状をチェックすると受診のきっかけのひとつとなるでしょう。

 また、50代では「歯周病」を取り上げています。著者によると、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病といった「生命を脅かす病気」は、ここ10年位前から「どうやら歯周病菌が血管に炎症を起こすことがその原因のひとつとなっている」ということがわかってきたそうです。そして50代になると加齢により唾液の分泌量も低下し、睡眠中はさらに少なくなるので、寝る前に歯磨きをしても口腔内に歯周病菌が増えやすい環境になってしまうそうです。日頃からの都度の歯磨きや口ゆすぎも有効なのですが、年代別のアドバイスとしては「最低3ヶ月に一度は歯科でクリーニングを」と著者は呼びかけています。

 これからは“歯のケアは全身のケア”と考え、歯周病予防に重点を置いた定期的な通院をしたほうがよさそうです。

 このほかにも50代ではがんの予防・血圧管理、60代では足腰のおとろえ・排尿障害、70代では熱中症、記憶障害への考え方など、その年代に起こりやすい症状や著者自身の「私の更年期対策」も赤裸々に書いてあり、人それぞれに症状さまざまなことがよくわかります。

 著者はいいます。

 もちろん人の体には個人差があり、「私はまだ大丈夫」という方もいることでしょう。でも、ここで取り上げる体の変化は、遅かれ早かれ“必ずやってくる”ということをお忘れなく。
 この本を手にとっているあなたが30代や40代であっても、ぜひ70代の章まで、ひととおり目をとおしてみてください。
 先手を打って変化に対応することこそ、輝く50代、60代、70代への布石なのです。

 女性の健康寿命を考えるときに更年期に入っている人はもちろん、母と娘の2世代で読んでおくのもおすすめです。

文=小林みさえ