あえて「無駄なモノ」を作って稼ぐ!? ——「好き」を「お金」に変える、これからの時代の稼ぎ方

生き方

2018/12/17

『無駄なことを続けるために』(藤原麻里菜/ヨシモトブックス:発行、ワニブックス:発売)

 好きなことで生きていこう。好きなことで稼げれば生きづらい世界も変わってくる。そのためにはどうしたらよいのか、何が必要なのかを、自身の経験を通して教えてくれる1冊が『無駄なことを続けるために』(藤原麻里菜/ヨシモトブックス:発行、ワニブックス:発売)である。

 藤原麻里菜さんは、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属するコンテンツクリエイター、文筆家、映像作家であり、「無駄なモノ」を作って稼ぐ、25歳のユーチューバーである。

 お笑い芸人時代の2013年に、芸人の延長でユーチューバーになり、頭に浮かんだ無駄なものを形にする「無駄づくり」というチャンネルを始めた藤原さん。現在は芸人を辞め、「無駄づくり」で生活できるようになったという。

 これまでウェブコンテンツにアップしてきた作品は、「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」「「壁ドンしてくれる無駄マシーン」「インスタ映え台無しマシーン」など210個余り。藤原さんは、自分の性格の悪さとか、社会と折り合いのつかないところを「無駄なモノ作り」によっておもしろがっているのだそう。「楽しくて好きなこと」を共有してもらえることは自分の世界を生きやすくしてくれることだと語る。

 本書の帯に「好きを貫くには稼ぐしかない。それに気づいたのが彼女の勝因」とのホリエモンさんの言葉がある。「人に見せられる形にすることで、それはエンタメになりお金になる可能性も広がる」と藤原さんは考えた。見せることで広がり、何かが起こり、それが稼ぐことへと繋がる。目的をはっきりさせてから効果的な見せ方を考えることが大切だと述べる。

記事は原稿料に変えられる。ユーチューブやツイッターはプロモーションのハブとして使える。今の時代、広告市場がインターネットにどんどん広がっている。インターネットを使っていろいろな企業の広告費の端っこをもらえるようになれたら食えるような気がする

 ではどうしたら仕事がもらえるか? おもしろいと思ってくれて、信頼を持ってもらえることだ。多くの作品をアップしていれば、だいたいの仕上がりを想定してもらうことができる。またフォロワー数や再生回数など数字を持つことも大事だそう。

 信頼が徐々にできた藤原さんは、思惑通り月4、5本の連載をこなし「無駄づくり」を作ることでお金をもらえるようになった。またプロモーションの依頼もかなりくるようになったという。台湾で開いた初個展では、2万5000人を動員し話題になったそうだ。

 著者は「世の中にはいくつもの稼ぎ方があり選択することができる。作ることでぼんやり浮かび上がる意識を分かっていく。それが好きなことと稼ぐことを両立するために必要なことだ」と述べ、両立している人たちに「どうやってお金と創作のバランスをとっているか」を取材している。

 会社員をしながらベストセラー本を書いた人、メディアアーティスト、会社員でありながらウェブメディアを立ち上げた人など、必ずしもフリーランスになる必要はないようだ。好きなものにどう取り組んでお金にしたらよいのか、著者の体験をわかりやすくまとめた真面目で役に立つ1冊である。

文=泉ゆりこ