自分を無理に愛そうとすると失敗する!? 自己肯定感低めでも望む人生を生きる方法

暮らし

2018/12/21

『自意識(アイデンティティ)と創り出す思考』(ロバート・フリッツ、ウェイン・S・アンダーセン:著、田村洋一:監訳、武富敏章:訳/Evolving)

「自分を好きになりましょう! 自己肯定感を上げましょう! そうすれば…」

 よく聞くフレーズである。自己啓発、起業などのビジネス、恋愛や結婚、健康管理などなど、ありとあらゆる分野で訴えられる万能薬のような「良い自己イメージ」「セルフエスティーム」。

 しかし実際のところ、本音では、どうだろう。

 どうしたって自分を好きになれない人は結構いるのではないか(私も含めて)。そういう人たちは永遠に貧乏で、恋愛や結婚に恵まれず、不健康なのだろうか。一方で成功者と言われる人たちは、全員が全員「自分大好き」なのだろうか。

 そんな素朴な疑問に答え、どんな人にも活路を示すのが『自意識(アイデンティティ)と創り出す思考』(ロバート・フリッツ、ウェイン・S・アンダーセン:著、田村洋一:監訳、武富敏章:訳/Evolving)だ。

 本書は自己肯定感が低くても、高くても、どちらであっても望む人生が手に入ると説く。「自分を何者だと認識しているか(自意識)」と「夢の実現」は関係ないと言い切っているのだ。

■他に力を入れるべきところがある

 まず実名を挙げて自分のことが嫌いでも成功した人たちを多数紹介している。

「マライア・キャリー、デビッド・ボウイ、ボブ・ディラン、アインシュタイン、ヘミングウェイ、チャーチル、ロバート・ケネディ、ジョー・ディマジオ、アメリア・イアハート(女性で初の大西洋横断に成功した飛行士)、エジソン、プレスリー、レディ・ガガ(他多数)」

 自分が好きで成功した人ばかりが脚光を浴びるが、そうでない人もたくさんいるのだ。偉人の伝記を読めば、「自分大嫌い」な人々がどれだけ素晴らしい仕事を残したかに唖然とする。

 そもそも「好き嫌い」はどうしようもない。

 本書によると「好きでない人を無理に愛そうとしても失敗する。これは多くの人が経験しており、その対象が自分であっても変わらない」という。

 つまり、自分を愛することにこだわるのは無意味だというのだ。それよりも自分の夢、創り出したいもの、真に望む人生を知り、その実現に力を入れればいいという。

■結果と自分を切り離す

 とはいえ「これまで夢の実現に頑張ったけれど、望む人生なんて全然手に入らない」という人も少なくない。

 自分は学歴が低いから、才能がないから、そう思ってしまうのも仕方ないが…。

 本書の一部を要約すると、

モーツァルトにとって作曲は簡単なことで、ベートーヴェンにとってはそうでなかった。しかし両者とも偉大な作曲家だ。もしモーツァルトが「あまりにも簡単にできたからダメだ」と思ったり、ベートーヴェンが「自分は才能がない」と諦めていたらどうだろう。創り出すプロセスにおいて自意識は関係ない。成果にコミットするのが大事なのだ。才能があってもなくても、メニューが違うだけのことだ

というのだ。

 自分がどうであれ(学歴が低くても高くても、才能があってもなくても)、やりたいことがあったらやる、創り出す方法を考え実行する。うまくいかないなら、また新しい方法を試せばいい。それで自分の価値が下がるわけではないのだから。

 自分の定義を忘れ、どんな成果を創り出したいかに焦点をあてること。大げさでなく、「世界」が変わるかもしれないメッセージだ。

文=青柳寧子