10年で資産が60倍以上になる!? 知識ゼロでも始められる株式投資で老後の不安を解消しよう

暮らし

2019/3/4

『お金を増やす勇気』(横山利香/日本文芸社)

 一昔前は銀行預金の金利が3%だった。預金するだけで雪だるま式にお金が増えていった。しかし現在は超低金利の時代。金利が0.01%ならば、銀行に100万円を預けても1年間で増えるお金は税引き前で100円。税金を引かれたら、コンビニの塩おにぎりさえ買えない。利子だけでトッピング付きのおにぎりを買うならば2年間待つ必要がある。そんなアホな。

 人生100年時代に突入したのに、年金がもらえるか不安だし、終身雇用や年功序列は崩壊しそうだし、賃金は大企業しか伸びていないし、けれども大企業が立て続けに危ない状況に陥ったし、増税で懐は苦しくなるし…。首の回らないニュースばかりで嫌になる。

 ならば最後の手段は、お金に働いてもらうしかないのではないか。『お金を増やす勇気』(横山利香/日本文芸社)は、知識ゼロでも分かる“投資の始め方”を読者に伝授する。本書の内容を少しだけご紹介したい。

■これからの時代は労働賃金より資産価値のほうが伸びていく!

 平成29年総務省家計調査報告によると、22歳から60歳で定年退職するまでにかかる生活費は1人7700万円だそうだ。さらに結婚や出産、マイホーム、教育費、老後、介護などのライフイベントをすべて合わせると、約1億7700万円! 恐ろしい金額にぞっとする。

 そこでオススメしたいのが、投資だ。本書では株式市場の歴史をグラフ化し、株価指数が上昇傾向なデータを紹介している。たしかに投資は損をすることもあるが、歴史を俯瞰すると世界経済は伸び続けているのだ。リーマンショックで暴落した米国の株式市場も、わずか数年後には株価指数で最高値を記録。

 経済学者のトマ・ピケティは、「純粋な資本収益率は世界産出の成長率を上回る」と予想。簡単に言えば、労働賃金の伸び率より、株などの資産価値の伸び率のほうが高くなるという。これからの時代は自分で働いて稼ぐだけでなく、投資をしてお金にも働いてもらったほうが、効率的に一生分のお金を稼げるはずだ。

■大金をつかめる投資がある? 5つの投資の種類とメリット・デメリット

 それでは具体的な話に入ってみたい。本書では5種類の投資とそのメリット・デメリットを解説している。

【株式投資】

 1つ目は、投資と聞いて誰もがイメージする株式投資。上場企業が発行する株式を購入して売却益や配当金を得る。有望株を見つけるとわずか数年で数十倍の利益を獲得したり、企業のお得な優待券をゲットできたりする。しかし一方で、元本保証がないので企業が傾くと損をする可能性があり、株価のチェックや企業情報の収集にお金や労力がかかる。

【投資信託】

 2つ目は、投資のプロが運用する投資信託。こちらは株式投資のようなややこしい作業をすべてプロが行ってくれるので、金融商品を購入した後は結果を待つだけ。ワンコインから始められる商品もあるのでお手軽だ。しかしなかには運用してもらうだけで多額の手数料が飛んでいく商品もあるので、見極めが大切だ。

【不動産投資】

 3つ目は、言わずと知れた不動産投資。マンション1室からビル1棟まで規模はさまざまだ。毎月安定した収入が得られる一方、空室が発生すると家賃収入が減少する。また不動産購入のためにまとまったお金が必要になるだけでなく、老朽化が進めば修繕費などの出費も発生する。

【債券】

 4つ目は、国や地方公共団体、企業にお金を貸して定期的に利子を受け取る債券だ。特に日本国債は信用評価が高く、国が元本保証しているに等しいので、リスクが低いとされる。しかし金利が低いので資産を大きく増やすのは難しい。金利の高い社債は元本保証がないので、企業の倒産などによって債券価値がゼロになる可能性もある。

【外貨】

 5つ目は、ドル円やユーロ円など、通貨の価格変動を利用し、変動差額や金利差額を利益とする外貨投資だ。こちらは国内取引所では信用取引で最大25倍のレバレッジ(=信用を担保に借金して投資を行うこと)をきかせられるため、大きな利益を狙える。しかし投資の通説である「リターン=リスク」があるため、莫大な借金を背負う可能性もある。

 以上、5つの投資の種類とメリット・デメリットだ。本書ではもっと詳しく解説されているので、いずれかの投資が気になった方はぜひ確認してほしい。

■10年で資産が60倍以上になることも?

 投資で一番大切なのは、失っても問題ない生活余裕資金でとにかく始めてみること。どれだけ投資の知識を増やしても、実際にチャレンジしなければお金は働いてくれない。そこでこの記事の最後に、株式投資の流れを簡単にご紹介したい。

 そもそも株式は証券会社で売り買いされているので、証券会社の口座を開設するところから始まる。口座にもさまざまな種類があるが、ポイントは手数料の安いところを選ぶことだ。

 そして株式投資は、どの銘柄を選ぶかが最も大事! 口座を開設した後は、企業の情報収集を行う。その手段として、「四季報」「決算書」「チャート」の3つがある。

 ここで情報収集を怠ったり、業績の良くない企業の株式を購入すると損をしてしまう。反対に将来性のある企業の株式を購入できればウハウハだ。最もわかりやすいのが、ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZO。2012年1月頃、同社の株価は1000円にも満たなかった。しかしそれから約6年半後の2018年7月頃には一時4800円を突破! 約5倍に跳ね上がった。上手に株式投資を行えば、単純計算で5倍の資産を手に入れられたかもしれない。

 しかし一方で、現在の株価は4800円の半分にも満たない。4800円で同社の株をつかんだ人は、わずか半年程度で資産が激減しているのだ。

 このように将来有望な企業を見つけ、業績が下がる前に売ることが成功への道だ。そのために株式を買う前も、買った後も、先述の「四季報」「決算書」「チャート」による情報収集は欠かせない。

 本書には知識ゼロでも株式投資を始めるノウハウがふんだんにつまっている。上手に見極めれば、おしゃれな100均「セリア」のように、10年で株価が60倍以上になる超優良銘柄を手にして、大きな資産を形成できることもある。将来のお金が心配で仕方がない人は、「投資を始める」という選択肢を本気で考えてほしい。

文=いのうえゆきひろ