インスタ発の“プロ社畜”4コママンガ!不要な会議、過酷な残業……会社員あるあるに共感必至

マンガ・アニメ

2019/4/7

『会社員でぶどり』(橋本ナオキ/産業編集センター)

 未払い残業代や長時間労働で社会問題になっているブラック企業。上司のパワハラやセクハラ。そんな「会社員あるある」を風刺した4コママンガがSNS上で共感を集めている。Instagramフォロワー18万人超えの「毎日でぶどり」だ。2018年1月1日から公開が始まり、同年11月にはフォロワー10万人を突破。その人気はとどまるところを知らない。

 主人公は「できることなら働かずに寝ていたい」と思いながら、無制限にサービス残業をする“プロ社畜”のニワトリ「でぶどり」と、有能で鋭い正論をぶつけてくる後輩ヒヨコ「ひよ」。本作は、共にブラック企業に勤める2羽が、働き方や生き方に疑問を持ちながら成長していく物語だ。他にも、残業こそが真の労働と信じてやまない上司「ハゲタカ部長」、ゆとり世代と呼ばれたくない新人「まるどり」など、「こういうとり(人)、うちの会社にもいる!」と思ってしまう魅力的なキャラクターが多数登場する。

 書籍版『会社員でぶどり』(橋本ナオキ/産業編集センター)で主に取り上げられているのは、でぶどりとひよがブラック企業と戦うシーン。さらに20本以上の書き下ろしエピソードを加えた本作では、キャラクターたちの知られざる過去や設定を知ることができる。ひよがでぶどりだけを「先輩」と呼び慕うことになったエピソードには思わず心打たれることだろう。本作で初めてでぶどりを知るという人はもちろん、ファンも新たな気持ちで楽しめる内容となっている。

 周りの意見に流されやすいでぶどりは、「家でできるのになぜ出勤」「大して決めることもないのになぜ毎日会議」「明日でもいいのになぜ夜中まで残業」と疑問を抱きつつも、「明日も同じように過ごすだけなんだろうな…」と疑問に慣れてしまった日々を送っている。そんなでぶどりに「分かる」と共感する一方で、怠惰な先輩や理不尽な上司にツッコミを入れるひよに「よく言ってくれた!」と賛辞を送りたくもなる。面白おかしく読んでいるだけで、いつの間にか多くの気付きを得られるのも本作の魅力だ。

「この仕事は残業してまでやらなければいけないものなのか」「そもそも何のために働いているのだろう」。そんな疑問を抱きながら、「会社員だから」「生活のため」と諦めに似た感情を抱く人も多いはず。本作は、現状の生き方や働き方を見直したい、新たな考えを“ゆるく”取り入れたいという人におすすめの一冊だ。

文=水本このむ