女性のキャリアを磨く47のテクニック。キャリア女子ほど陥りやすい「巣づくり症候群」って?

ビジネス

2019/4/25

『どんな職場でも求められる人になるために いますぐはじめる47のこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 近ごろは政府の推進もあり、ひと昔前より女性を取り囲む職場環境が整いつつある。しかし、私たち女性が“一生働く”というステージに上がったのは、まだごく最近のこと。そして、女性のキャリアは結婚や出産というライフイベントに左右されやすいため、バリバリと仕事をこなしていても「今のキャリアで、この先大丈夫なのだろうか…」と、不安に感じてしまう。

 そんな女性特有のモヤモヤを解消してくれるのが、数々の有名企業の「女性向け研修」を手がけてきた藤井佐和子さんによる『どんな職場でも求められる人になるために いますぐはじめる47のこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

 藤井さんによれば、どんな職場でも求められる人は3つの条件を兼ね備えているのだという。

(1)素直で成長意欲がある
(2)全体を見て仕事ができる
(3)主体的に動ける

 本書はこれらのポイントを踏まえつつ、自分自身がどう働いてどんな人生を歩んでいきたいのかを考えるきっかけを与えてくれる。全47のテクニックをフル活用し、仕事に関する悩みを解消できたら、あなたの人生はもっと自分らしく彩られていくはずだ。

■なりたい自分は3タイプのロールモデルから選ぼう

 自分がどう働きたいのかを想像しようとしても、参考となる人が周りにいないと目標を立てることが難しくなる。そんな人に対し、藤井さんが勧めているのは「キャリアチェンジ型(ジョブローテーション)」、「昇進型(マネジメントタイプ)」、「深掘り型(スペシャリスト)」という3タイプからロールモデルを決めること。

 女性の多くは手に職があると安心感を得られると考えており、深掘り型をロールモデルにしやすい。だが、このタイプは勉強が必要だったり専門領域が陳腐化した時にジョブチェンジが難しかったりするので、自分の性格や希望の職種を考慮した上でロールモデルにするかどうかを決めていく必要がある。

 一方、「キャリアチェンジ型」は「専門がない…」という悩みを抱きやすいが、実はさまざまな仕事を経験すれば、オンリーワンな人材になれる可能性がある。色々な専門分野で培った経験や知識は転職市場で価値が高い。だからこそ、新しいことが好きな方やアクティブな方、飽きっぽい方はこのキャリアタイプをロールモデルにしてみるとよいだろう。

 また、現在の職場に不満を持っている方にこそ目指してほしいのが「昇進型」。管理職などに就き自分の権限が大きくなると、働きやすさが増し、仕事量や時間調節も可能になるため、昇進型のメリットは多いと言える。「自分は上に立つ人間ではない…」と思わず、必要な知識や技術を積極的に吸収し、ワンランク上のポストを手に入れていこう。

 こんな風に、自分の性格を把握しながらキャリアの方向性を決めていけば、仕事はもっと楽しくなる。私たち女性が一生安心して働き続けるには事前に、理想の自己像を想像してみることが大切なのだ。

■キャリア女子こそ陥りやすい「巣づくり症候群」とは?

「後輩が自分の部署に来ると身構えてしまう」「ひとりでこなせる仕事を同僚と行うのが嫌」…こんな想いを抱いたことがあるキャリア女子は、意外に多いのでは? 勤務年数が長かったり仕事自体に思い入れがあったりすると、自分ひとりでつい仕事を抱え込んでしまうこともあるだろう。だが、藤井さんはこうした状況を「巣づくり症候群」と称し、改善していくべきだと訴えかけている。

“ひとりで抱え込んでしまうのは、「この仕事を手放したら、自分の役割や居場所がなくなってしまう」という危機感があるからです。”

 仕事では“成果”という形で自分の存在意義を可視化できる。そのため、私たちは自分の居場所を奪われないよう、無意識のうちに仕事にしがみついてしまうことも多い。だが、会社は担当者がいない時でも機能できるような仕組みが整っていなければならない場所。ひとりで仕事を抱え込んでいると、作業効率の悪さに気づけなかったり自分が不在の時に企業としての対応が遅れてしまったりする恐れがある。そんな状況を作り出していると、どれだけ頑張っていても周囲からよく思われにくく、残念なレッテルを貼られてしまうことも少なくないのだ。

 では、巣作りをしなくても安心感を持って働くにはどうしたらいいのか。藤井さんはその問いに「チーム全体のことを考えて行動する」という回答を打ち立てている。ベテランな自分が、自身のためではなく周りのために何ができるかを考えていけば、「ずっと職場にいてほしい」と熱望される女性になれる。若い才能を伸ばし、新しい人材を教育していくことも自分の存在意義に繋がっていくのだ。

■押し付けられた仕事で評価を上げる“たった2つのポイント”とは?

 出来る人ほど、職場で無理な仕事を押し付けられてしまうもの…。時には誰もやりたがらない仕事を任されることもある。この世は残酷なことに、真面目に仕事をしている人が必ずしも評価されるとは限らず、要領よく生きている人が得をすることも多い。

 だからこそ、いつも周囲から頼られてしまう人や断り下手で次々と仕事を押し付けられてしまう人は2つのポイントを意識し、職場で正当な評価が得られるようにしていこう。

(1)依頼してきた人に手柄を取られないよう、自分がやったことはアピール
(2)依頼された仕事にプラスアルファの工夫をし、新しい仕事のチャンスを掴む

 自分が力を注いでこなした仕事は、大切な財産。憂鬱に思える仕事が新しいチャンスを呼び込む種になることは意外に多いので、人の頼みを受けるときは自分の実力をしっかりとアピールし、キャリアを確実に積んでいこう。

 ゆるいイラストと親しみやすい口調で女性のキャリアアップにまつわるノウハウを教えてくれる本書は小難しさゼロ。一般的なビジネス書が苦手な方でも楽しみながら読み進めることができる。

 女性としてもひとりの人間としても成長し、自分を高めていきたい。そう思っている方は藤井さんの言葉を噛みしめ、新しい人生を切り開いていこう。

文=古川諭香