手抜きOK、ケチな節約なし。ズボラさんでも1日1ステップで貯蓄体質になれるお金のトレーニング

暮らし

2019/4/24

『「ズボラ家計管理」トレーニング』(あき/講談社)

 5人家族の家計をやりくりしながら2年間で350万円も貯めた人気ブロガー、あきさん。1日1行つけるだけの、ラクに続けられる家計簿が話題を呼んでいる。彼女の新刊『「ズボラ家計管理」トレーニング』(講談社)は、1日1ステップ、誰にでもできるごく簡単なトレーニングを1ヵ月間続けるだけで、お金が自然と貯まる仕組みを作っていけるという。

 本書は決してただ節約だけをすすめるものではない。「安い値段の野菜を買ったら失敗だった…」というケチケチした節約ではなく、使えるお金をやりくりして楽しく家計管理ができるように指南する本である。家計管理には、「家計簿」を使う。ただつけるのではなく、簡単なルールを知って戦略的に使いこなすことがポイントだ。将来に不安はあるけどお金を管理する時間がない、家計簿をつけているのにお金が貯まらない、という人たちにおすすめしたい。

■あなたは衝動買いタイプ? それとも節約名人タイプ?

 お金が貯まらないとき、やはり支出に原因があることも少なくない。しかし、あきさんは「どの支出も、適切にコントロールができれば問題ない」と語る。まず、自分の支出のクセ(無駄遣いになりやすい支出)を知っておくと、管理がスムーズになる。ほしいと思ったら止められない衝動買いタイプや、必要だと思い込んでいる買い物が多すぎるメタボタイプなど、自分のタイプを調べてみよう。

 ちなみに、「無駄なものは買わない」という節約名人タイプは、一見問題なさそうだが、ときにはケチすぎて家族が不満を持っているという可能性がある。そうすると長続きしづらいので、家計に潤いを出すための見直しで、もう少し遊びを持たせてもいいそうだ。

■なぜ家計管理がうまくいかないのか?

 毎月赤字になってしまう人や、貯金ができていないという人は、自分は毎月いくらのお金を受け取り(収入)、何にいくらのお金を使っているのか(支出)をきちんと把握していない人が多いという。あきさんの家計管理は、それを知るところから始まる。

 まず、1日にいくら使ったのかを計算してみよう。その日のレシートを見ながら、本書で解説されている「必要な支出」と「必要ではない支出」を区分けして計算する。そこではじき出されたお金が、1日暮らすために必要な「予算」となる。ちょっとしたお菓子を買えるくらいのお楽しみ予算をプラスするのもポイントだ。

 1日単位の計算ができるようになったら、1週間、1ヵ月、1年と期間を広げていく。この方法で自分のお金の動きを把握し、なんとなくダラダラとお金を使う生活から「必要なお金だけを使う生活」へとシフトしていけるのだ。

■家計管理の明暗を分ける「特別費」とは?

 あきさん流家計管理の特徴は、費目の分け方にもある。注目したいのは「特別費」。これは、毎月ではなく年に数回ある、高額になりやすい支出のこと。たとえば、誕生日プレゼントや、家具や家電、ちょっと高額な服、そして臨時の支出などだ。

 これらを月単位の集計に入れると、想像以上に高額のため赤字になってしまい、「もうダメだ…」と挫折してしまうことがある。そこで、「特別費」を年単位で組み込むことで、月々の家計は平均的にならすことができる。家計管理をラクにしてくれる絶好の費目なのである。

 これは同時に、家計管理のモチベーションを上げてくれるうれしい費目でもある。1年間の収入と支出がわかるようになったら、年間予算を立ててみよう。年間の収入から、必要な支出と貯金分を差し引いたものが「特別費」だ。使い切ってもOKなので、何に使おうかと考えるのは楽しいものだ。

■お金の不安を解消、お金も時間も有意義に使いたい

 一口に家計簿といっても、使い方次第でこうも見通しが変わるものかと驚かされる。ちょっとしたルールを加えることで、少しのことでは揺らがない“骨太な年間予算”ができあがる。「1年間で○万円貯めよう」という年間予算は、一度作れば翌年以降も使い回せる。あとは予定通りにお金を使っていくだけだ。まさに、ズボラにはうれしい方法である。

 個人的に気に入ったのは、夫婦の家計が別々でも、自分がわかる範囲で計算すればOKということ。所々でこういった“手抜き”が通用するのも、あきさんルールの強みだ。

 お金のことで不安なのは、先のことが見えていないから。先が見えれば、将来の不安もなくなる――。そんな、あきさんのメッセージに勇気づけられる。ケチケチする節約や、しんどい家計簿つけは、もうおしまい。浮いた時間で、何か別の新しいことに挑戦できるかもしれない。限られたお金と時間を、有意義に使いたいものだ。

文=吉田有希