「嫌いなあの人」が意識から消える! 今すぐ試せるテクニックが満載

暮らし

2019/5/27

『嫌いなヤツを消す心理術』(神岡真司/清流出版)

「人を嫌う」には大きなエネルギーが必要だ。あまりに執着すると、自分自身にも負のエネルギーが返ってきてしまう。まさに「人を呪わば穴二つ」だ。できるなら避けたい事態。それでもなぜか出会ってしまう、付き合いにくい、なるべくなら関わりたくない人たち…。

 新年度を迎え、進学や就職などなど、環境がガラリと変わった人も多いだろう。なかでも気になるのが周りとの付き合いだ。万が一苦手な人がいたら最悪だ。せっかくのフレッシュな気分が台無しになってしまう。そんなとき、ぜひ手に取って欲しいのがこの本、神岡真司氏の『嫌いなヤツを消す心理術』(清流出版)だ。厄介な「嫌う」という感情が生まれてしまう理由からひもとき、「嫌いな人」を自分の中から消す方法から、嫌いな相手の中にある「自分」に対する嫌悪感を消す方法まで、さまざまな「消し」の心理的アプローチが紹介されている。

 この本によると、人に対して感じる「好き」「嫌い」の感情は、人間の「生存欲求」という動物的本能から生まれるもので、自分の身を守るための「必然」であり、あって当たり前なのだそう。人を嫌う自分を「人間としてまだまだ…」などと反省したり、苦手な人がいる自分に落ち込んだりしていたけれど、そんな必要ぜんぜんないってこと? というよりむしろ、気に入らない人がいる自分は、危険察知能力が高いと思っていいのでは! もやもやしていた霧が晴れるように、気持ちがぐっと軽くなって、ちょっと前向きな気分になってくる。著者が言うように、「思いっきり息を吐きだし、意識を呼吸に集中」して、自分をリラックスさせれば、不思議と嫌いな人のこともあまり気にならなくなってくる。相手が目の前にいなければ。

 そう、困るのは、嫌いな相手というのはたいてい、毎日顔を合わせなければならない存在である、ということだ。まあ、お互いにある程度関わりがなければ「嫌い」などという感情も生まれるはずがないので、至極当たり前なのだが。さて、どうやってこの難局を乗り越えるか? 例えば目の前の相手からまさに攻撃を受けようとしている場面では? 攻撃を避けるにはどんな態度が効果的か、そしてどんな態度だと逆に攻撃を助長するのか、著者は具体的に説明する。「してはいけないNG行動」も列挙されているのだが、その中に自分の行動パターンがけっこう入っていてひやり。もしかして今まで、知らず知らずのうちに相手の攻撃を助長していたのかも。それでますます相手が嫌いになって…まさに負のスパイラル、もっと早くにこの本に出会っていたかった!

 ほかにも、嫌いな人のことが頭から離れず、もやもやしているときの対処法や、自分のことを嫌っている(らしい)相手へのアプローチ法など、人間関係をギクシャクさせる「嫌悪感」を減らし、円滑なものに変えるための、使える心理テクニックがたっぷり詰まっている。嫌いな人を作らず自分も嫌われないための会話術までばっちり載っていて、まさに至れり尽くせり。自分の身辺に嫌いな人がいるならもちろんのこと、今は良好な人間関係に恵まれている人でも「もしも」の時にそなえて、ぜひ手元に置いておきたい、頼りになる1冊だ。

文=川嶋 由香里