無駄買いをなくして服選びも迷わない!生活をラクにする「定数化」のススメ

暮らし

更新日:2019/5/31

『バッグは、3つあればいい 迷いがなくなる「定数化」』(おふみ/KADOKAWA)

 身の回りや持ち物を整理して部屋も心もスッキリする片づけがブームになっている。特に流行語大賞にもノミネートされた「ミニマリスト」の、家中の持ち物を必要最低限までに減らしたライフスタイルは多くの人の関心を集めている。ミニマリストの無駄なものをそぎ落とした効率のいい身軽な生活は気になるけれど、「必要最低限のモノ」ってなんだろう。モノを捨てすぎたら生活に困るし、ありすぎても片づかない。なにをいくつくらい持っていた方が良くて、なにを減らせばいいのか…。紹介する『バッグは、3つあればいい 迷いがなくなる「定数化」』(おふみ/KADOKAWA)では、すっきりと物が片づくようになるコツを紹介。なにをいくつ持てばいいか、自分なりの最低限のモノの基準を決めるのに役立つ一冊となっている。

 本書の著者であるおふみさんは、夫婦2人暮らし。元々、ものを捨てられない「マキシマリスト」だったという。「身軽になりたい」との思いから、家中のものを減らしミニマリストになり、その日々を綴ったブログ「ミニマリスト日和」が大人気となった。自分たちにとってしっくりくる快適な生活を研究中のおふみさんの片づけテクニックはマネしたいものばかりだが、絶対に外せないのが本書でも紹介されている「定数化」だ。

何をいくつ持つか、決める。そして、それ以上は増やさない工夫をする

「定数化」とは、ものや服の所持数を決めてそれ以上は増やさないということ。ものを捨てると部屋は片づくかもしれないが、ただいらないものを捨てるだけではまた片づけを繰り返す可能性が高い。ものを捨てて、また新しいものを買って、またものが増えて、また整理前の状態に戻るなんてことはめずらしいことではない。しかし、ものの定数を決めると、ものは増えない。例えば、傘は1人1本、ペンは用途別に1本ずつ。持ち物の数を決めて守ることで、似たようなものをいくつも無駄に買うということがなくなる。さらに数を意識すると、選ぶときに慎重にもなるから、部屋にはお気に入りのものがそろっていくことになる。

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 そこで問題となってくるのが、定数をどうやって決めればいいのか、選ぶ基準はどうするのかということだ。本書のなかで、おふみさんがなにをいくつ持っているか、どういう基準でその数を決めたのか、それを細かく紹介。ものだらけの生活からすっきりとした生活になるまでのプロセス、ものを持つこと捨てることの「なぜ」や「いくつ」を多くのイラストを用いて、わかりやすくじっくりと語ってくれている。家具やお皿などの生活用品、洋服など、アイテム別に記載があるので、必要最低限のものを自分の生活に当てはめて考えることができる。

 テレビや雑誌では、家中のものをほとんど手放して部屋にはなにもないミニマリストも紹介されているが、本書で紹介している最低限のもので生活することはストイックに生きようということではない。なにもかもを手放すのではなく、欲しいものを際限なく増やすのでもなく、節度を守ってものを持つこと。定数化やここに入るだけといったように上限を決めてものの数を意識することで、日々の生活をより快適に、よりオシャレに楽しめるものにしていこうという提案だ。

 身軽になりたいけれど、なにをいくつ持てばいいのかわからない。必要ないのについ無駄買いして困っている人たちには特にオススメの一冊。本書を読み終えたらきっと、部屋の片づけをしたくなるはずだ。

文=なつめ