普通の大学生が「億超え投資家」になれたワケは? 投資初心者こそ知っておきたい相場の読み方から投資法まで

ビジネス

公開日:2019/6/6

『マンガでわかる15年勝ち続ける 億超え投資家の株の基本』(立野新治:著、黒城ろこ、サイドランチ:マンガ/池田書店)

 資産が1億円を突破した投資家のことを“億り人”と呼ぶ。サラリーマンが生涯に稼ぐ金額が3億円といわれているので、投資で億を超える資産を築くことができれば相当なものである。投資を始めたばかりの人や、これからチャレンジしてみたいと思っている人にとって、この“億り人”は、憧れの対象だろう。そんな彼らは、“普通の投資家”といったい何が違うのだろうか。

 本稿で紹介する『マンガでわかる15年勝ち続ける 億超え投資家の株の基本』(立野新治:著、黒城ろこ、サイドランチ:マンガ/池田書店)は、ごく普通の大学生だった著者が“億り人”になるまでに実際経験してきたことを基に、ストーリー仕立てで“投資脳”の鍛え方をわかりやすく教えてくれる1冊。マンガに登場するVRソフトの主人公、女子大生の木下裕子は、少額から投資を始め、何度もトライ&エラーを繰り返し、約10年かけて資産1億円を突破する。読者は、マンガを読み進めながらその物語を追体験し、投資で勝ち続けることに必要な“相場観”と“投資法”を学んでいくのだ。

■初心者はまず感情コントロールを! 損を恐れすぎることのデメリットは?

 投資初心者は、感情をコントロールできずに、一時的な期待や不安から非合理的な選択をしてしまいがちだ。典型的な例は、“損切り”ができないこと。私たちは、利益を得ることによる喜びよりも、損をして悲しむ感情のほうをより大きく感じる。そのため、過剰に損を避けようとする傾向がある(これを、損失回避性という)。そのため、自分の損失を確定させることになる“損切り”は、心理的なハードルが高くなる。マンガでも、裕子は、「損をするのが嫌だ」という理由で、損切りに踏み切れなかった。その結果、損失を余計に広げてしまうことになる。

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■メディアやSNSに踊らされるな! 勝ち続けるために必要なのは…

 投資に関する情報は、さまざまなところから集めることができる。裕子は、経済誌や投資家の本をたくさん読み、経済や投資理論の知識を増やしていく。だが、「あの雑誌がこう書いているから」「○○さんがこう言っていたから」という理由だけで投資判断を行うのは危険だ。もちろん、メディアやSNSの情報を活かした結果、儲けが出ることもあるだろう。しかし、それではいつまでも自分の“相場観”が鍛えられないという。大切なのは、メディアやSNSの情報を参考にしながら、最終的には“自分で考えて”銘柄を選ぶこと。自分で考え、判断して投資を実際行い、成功と失敗を繰り返すことで相場観は磨かれていく。

 本書ではこれらに加え、“投資法”についてのノウハウ解説も充実している。多数の手法を身につけておけば、きっとその時々の相場に合わせて適切なものを選べるようになるはずだ。“億り人”になるまでの道のりに、「これさえやればOK」という単純な近道はない。まずは本書を片手に、少額でも“自分で考えて”投資をすることの強みを実感してみよう。

文=中川凌