山崎賢人、新田真剣佑の声優参加で話題沸騰! 映画『二ノ国』の魅力が詰まったアートブック登場

マンガ・アニメ

2019/9/4

『映画「二ノ国」公式アートブック』(映画「二ノ国」製作委員会(編)/文藝春秋)

 この夏、たくさんの大作映画が公開され、映画館へ足を運んだという人も多いだろう。そしてその掉尾を飾るにふさわしい作品が2019年8月23日に封切られた。それが映画『二ノ国』である。長編アニメーションの本作は、人気俳優の山崎賢人、新田真剣佑、永野芽郁らが声優として参加。さらに人気ゲームの映画化ということで、公開前から話題を集めていた。また、「スタジオジブリ」で数多くの作品に参加した百瀬義行氏が監督を務め、音楽を久石譲氏が担当しているところから、かつて夏の風物詩であった「ジブリ映画」を思い出す向きもあるかもしれない。

 そして、この注目作をより深く知るために最適なのが『映画「二ノ国」公式アートブック』(映画「二ノ国」製作委員会(編)/文藝春秋)だ。本書は映画のビジュアルストーリーやキャラクター設定のほか、監督や声優といったスタッフインタビューなどが収録されている。ストーリー紹介も物語の重要部分までは触れていないので、映画を観る前のガイドブックとしても優れている。

 物語は現代の日本で暮らす、足の不自由な高校生・ユウと、その親友・ハルを中心に描かれる。ある日、ふたりの友人で、ハルの恋人でもあるコトナが謎の人物に襲われ、瀕死の重傷を負う。彼女を助けようとしたユウとハルも事故に巻き込まれそうになるが、その瞬間、彼らは「二ノ国」へ飛ばされる。そこではユウの足も自由に動き、ふたりはここが異世界であると認識。コトナを捜して街を周っていた彼らは、エスタバニア王国の「アーシャ姫」がコトナと似ていることを知る。呪いで瀕死のアーシャ姫だったが、ユウはその呪いを解いて彼女の命を救った。ユウはアーシャに惹かれていくが、とある事件をきっかけにユウとハルは現代(「一ノ国」)へ戻ることに。重傷を負ったはずのコトナは無事でふたりは安堵するが、それも束の間、コトナに病が発見され、余命3ヶ月と宣告される。「二ノ国」でアーシャを救ったことが病の原因ではないかと疑うハル。コトナを救うためアーシャを討たねばならないというハルと、アーシャを守りたいと思うユウ。彼らの想いは、再び訪れた「二ノ国」で刃となって激突する──!

 製作総指揮の日野晃博氏は本書のインタビューで「ティーンエイジャーより上に向けてつくっています」と語る。これまでレベルファイブの作品は『妖怪ウォッチ』などファミリー向けがメインだった。今回は主人公を高校生に設定してターゲットの年齢層を上げることで、恋愛要素や「命の選択」という重いテーマを盛り込んだのである。また、ユウとハルの「二ノ国」に対する考えかたの違いが作品全体の軸でもあり、注目ポイントだといえよう。

 また、本作で「ヨキ」という重要人物の声を担当した人気声優・宮野真守は、山崎ら主演の3人と一緒に収録することはできなかったとしながらも「3人のまっすぐなお芝居から、『命を選べ』というテーマにつながる純粋なものを感じた」と本書インタビューで言及。それぞれの道のプロが刺激しあうことによって発生する相乗効果が、物語にどのような深みを与えてくれるかも気になるところだ。

 日野氏は本作を「ラブストーリー」と語っているが、なるほど劇場では、カップルの数が非常に多かった。そういう意味では、作品のテーマは観客に十分伝わっているのだろう。これまでのレベルファイブ作品とは異なる、新しい試みが満載の映画『二ノ国』。可能であれば、カップルで楽しんでいただきたいものである。

文=木谷誠

©2019映画「二ノ国」製作委員会