人前でオナラが出てしまったら!? ピンチをチャンスに変える“魔法の書”に子どもも大人も大共感

暮らし

公開日:2019/9/26

『ピンチ!! それはチャンスだ!』(大野正人/高橋書店)

 毎日は楽しいことばかりだけではなく、嫌なことや困ったこともたくさん起こる。「友だちとケンカしちゃった」「テストの点が最悪」「さみしい」など、小さなピンチから大きなピンチまで、それを乗り越えてさらには成長できる『ピンチ!! それはチャンスだ!』(大野正人/高橋書店)は、ちょっと面白くて笑える30ものピンチエピソードを楽しいマンガで紹介している。

 子ども向けに描かれた本だが、いろいろなピンチを発想の転換でチャンスに変える工夫は、大人にもおすすめだ。ピンチは子どもにも大人にも、突然ふりかかる。そんなときにどうやって乗り切ればいいのか。本書で紹介されている、大人もためになる解決法を少しだけお伝えしたいと思う。

ピンチ へえこいてもうた!
解決策→すごいチケットがもらえるチャーンス!

 人前で屁をこく、これはかなりピンチだと思う。自分だとバレないようにごまかしたりするが、音も鳴り臭いもしたら隠せない。おならは生理現象で、誰もがするものだから恥ずかしくないよ――なんて正論をいわれても、屁をこくのは恥ずかしいものである。そこで、本書で紹介されているのが、恥をかくことと引き換えに「もう恥ずかしくない券」をゲットしたという考え方だ。この券があれば、みんなの前で話したり、こけたり、ちょっと恥ずかしいなと思う場面でも「おならがバレたときの恥ずかしさにくらべたらマシ」と思える。超恥ずかしい経験は、かなりハイレベルな「もう恥ずかしくない券」をゲットしたと思えば心強い。

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ピンチ もっとかまって!!
解決策→まず自分からやってみるチャーンス!

 誰かにかまってほしい、もっと自分を見てほしい。それは「承認欲求」という自然な気持ちだ。そう思わなくなったら、人はどんどん孤独になってしまう。かまってほしいという気持ち「承認欲求」を満たしたいと思うなら、待っていてはいけない。周りをよく見て、声をかけたり手伝ったり、自分からかまっていくしかない。そして、著者である大野正人氏は本書で「自分が人とみとめるから、人から自分がみとめられるのです」といい、「あなたがまわりの人に求めるものは、じつは、まわりの人も同じように求めることだったりします」と述べている。恋人にかまってもらえないと嘆き、仕事で上司や部下がちゃんと認めてくれないという大人たちはちょっと考えてみてほしい。ただ待っていてはいないだろうか。優しくされたいなら優しくして、愛されたいなら愛して、少しずつでいいから自分からやっていきたい。

 本書ではピンチをチャンスに変える方法を紹介しているが、そのときの状況や本人や周囲の人の性格などによって、書いていることとは違った展開になるかもしれない。しかし、うまくいかなかった場合についても記載されている。ピンチや失敗の経験は心の栄養になり、役に立たないわけではない。本書はピンチや困ったことを乗り越えるためのヒント、チャンスアイテムなのだと思ってほしい、と。

 生きていれば、ピンチはある。しかし、発想の転換でピンチはチャンスになる。本書は子どもに向けられたものだが、ぜひ大人にも読んでもらいたいと思う。大きく変わっていく世界をゆうゆうと生きていくために「ピンチをチャンスにする力」が役立つはずだ。

文=なつめ